現代の物事の判断基準は、どれだけ「正しいことをやっているか?」ということよりも、どれだけ「ユニークなことをやっているか?」ということの方が大切なのだと言われるようになってきました。
現代の人を傷つける一番の悪口は「あなたには個性がない」と言われることなのかもしれません。
確かに服装も、その人の個性を表すものなのかもしれませんが、ユニクロを運営するファーストリテイリングCEOの柳井正さんは、「服に個性があるのではなく、着る人に個性がある」のだと言います。
内面的な個性があまり求められなかった時代には、多くの人は個性的なファッションを身に纏い、内と外のバランスをとっていたのでしょう。
しかし、内面の個性が求められる時代では、外見はあまり個性を出しすぎないシンプルな服装を意識し、内と外のバランスをとっていかなければなりません。
外見を個性的にしようと思えば思うほど、化粧を塗り重ねていくのと同じように、その人の内面にある個性はどんどん見えにくくなっていきます。
内面的な個性をしっかり持っている人というのは、日常的に身につけるものをユニクロ、ニトリ、無印用品などの「テッパン」で固め、どうしても自分が強調した部分などは、ブランド物や個性的なモノを身につけて周りにアピールしていくのです。
缶バッジは、どうしても自分が強調したい個性をアピールするためには、非常に効果的なツールなのだと言えます。
本当の意味で、個性的な人間になるためには、「私、変わってまーす!」というキャラになってはいけません。
個性を見せるところと見せないところをしっかりとわきまえるのが、真のアーティストと呼ばれる人たちなのです。
全身ユニクロであっても、自分がデザインした個性的な缶バッジがどこかに身に付いていれば、あなたは立派なアーティストなのだと胸を張っていいはずです。
缶バッジは内面の個性を外に伝えていくためのツール
その人の個性というものは、自分を主語にして、どれだけ豊かな時間を過ごせているかで決まります。
逆に、他人に支配された時間をどれだけ効率的に生きていたとしても、他人と異なった個性が生まれてくることはないのでしょう。
しかしながら、ただ単純に自由なことをやり、好き勝手に生きていれば、個性が自然と生まれてくるわけではないところが、「個性」という物の難しいところなのです。
日本には守破離という言葉があるように、自分だけの個性とは、「型」や「マニュアル」と呼ばれるものを一定期間こなし、どうしても真似できないもの、意識的に隠そうとしても、意識の隙間から滲み出てきてしまうものを指すのでしょう。
人間の脳や身体の構造は非常に柔軟であり、あらゆる物事に対処することができますが、逆に柔軟過ぎることで、一つの物事に根気強く長く取り組めないという欠点もあります。
そのため、ある一定の「型」というものは、物事に柔軟に対応し過ぎず、中長期的に個性を形成していくために、必ず必要なものだと言えるのです。
そういった意味では、他人に真似できない個性を身につけるためには、一度、業界の「型」にあえてハマってみることも大切なのでしょう。
その中でどうしても真似できないもの、どうしても滲み出てみてしまうものこそが、その人の本物の個性であり、生きる上での圧倒的な強みになっていくのです。
ビジネスにおいても、腕の良いコンサルタントを雇って最高の戦略を立てたり、規模やボリュームの力を使って、最安値の戦略がとれる会社は限られています。
こういった戦略や価格で圧倒的な差別化ができない企業は、独自の「個性」を通じて、消費者やクライアントと繋がっていくことが求められます。
街の八百屋や魚屋にしても、価格や規模で有利な企業に対抗できるのは、個性が強いお店だけであり、こういったお店はただ物を売るだけではなく、より対人的なサービスを提供するようになっていくことでしょう。
すべての物事の軸が個性になる時代において、缶バッジは、他人に個性を伝えるための重要なツールになっていくことでしょう。
内面の個性は外見からは中々分かりずらいですが、何か自分の個性を表現する印象的な缶バッジを一つ付けておけば、その人の内面の個性をしっかりと外に向かって表現できます。
全身ユニクロだったとしても、小さな缶バッジ一つで滲み出る立派な個性をアピールできるのです。
誰の感情も揺れ動かさない中途半端な個性は、間違いなくAIに代行される。
仕事や教育で、時代の流れに便乗して、中途半端な個性を求めれば求めるほど、自称個性派のマニュアル人間がどんどん生まれてきてしまいます。
誰の感情も揺れ動かさない中途半端な個性は、間違いなくAIに代行されていくことになるでしょう。
AIがほとんどの仕事を代行し、人間から湧き出る内面的な個性が存在しない世界は、人間はもはや生きているのではなく「生存している」だけになってしまうかもしれません。
個性がなければ、生きているのではなく「存在」しているだけ。
ある日本のビジネスパーソン1000人を対象に行った調査では、仕事で1日1回以上ワクワクする人は5%しかおらず、仕事で1年に1度もワクワクしない人は30%にも達したのだと言います。
大人は、子供や若者に対して、個性を発揮して、自由に好きなことをやりなさいと言いますが、きっと子供や若者たちは、「じゃあ、おじさんたちは、個性的なことをやってるの?」と思うことでしょう。
SNSは自分の個性を周りに伝えるためには、非常に便利なツールですが、ある一定の距離を置かないと、自分の都合の良い情報ばかりがSNSから入ってきて、次第に尖った個性のようなものは失われていってしまいます。
本当の意味での個性や人間性は、リアルな世界での対人関係からしか生まれてきません。
仕事でワクワクできていない人が多い。
缶バッジをつけて、リアルな世界で個性をアピールし続ければ、きっと様々な人たちがあなたの周りに集まってくることでしょう。
よく「個性を磨く」と言いますが、「磨く」という言葉は、何か二つのものを擦り合わせることで、滑らかになって、ツヤが出るようになっていきます。
これは人間も同じことで、「個性」は一人では磨くことはできません。
人間の個性と個性が擦り合わさることで、その人の個性は磨かれていくのです。
リアルの世界での缶バッジは、あなたの個性を磨くために必要な人を呼び寄せるツールになってくることでしょう。