買い物をするついでに、車も買うことができる。そんな環境を提供するためにトヨタカローラ埼玉が行なっているのが、ショッピングモールのイベントスペースで開催している移動展示会です。
トヨタカローラ埼玉がそのような展示会を始めたことには、車に関する情報が、以前よりも顧客に届きにくくなっている現状が関係しています。
そこで今回は、トヨタカローラ埼玉、事業推進部、営業支援室の平塚昌紀さんにお話を伺いました。
イベントスペースに展示されている新型車。(写真提供:トヨタカローラ埼玉)
これまで車に関する情報は、新聞の折り込みやテレビCMなどで顧客に流すことが一般的だったため、車に興味がある人はもちろん、車に興味がない人にも情報を届けることができていました。
しかし、録画機能を使えばCMはスキップできるようになりましたし、スマートフォンを使えば、自分の興味がある情報を、自分で選択して得ることができるようになったので、車に興味がない人たちには、チラシや広告が届かなくなってきています。
「それなら逆に、たくさん人が来るところに車を置いておけば良いじゃないかと思い、ショッピングモールでの移動展示会を始めました」
「週末に、戦隊ヒーローショーとかをやっている隣で車を並べてさせて頂いています。日常の買い物ついでに自由に見ていただければ、もっと車を身近に感じていただけるのではないかと思いました」
缶バッジを作るお子さんが、車への案内役。「お子さんは見守っていますので、車を見てきてください」
「会場費や人件費がかかっても移動展示会を続ける理由は、そこで車を購入する方がいるからなんです。ショッピングモールで車を購入する事ができる時代になってきています」
今では毎週のように車が売れているそうで、そこで欠かせないイベントとなっているのが、オリジナル缶バッジ体験です。
オリジナル缶バッジ体験。ツナギに着替えたお子さんは、自分で絵を描き、自分で缶バッジを作る。(写真提供:トヨタカローラ埼玉)
「日本人はシャイですから、ショッピングモールに車が並んでいても遠くから見ているだけの人も多いのですが、缶バッジのイベントをやっていると、まず子どもたちが近寄ってきてくれます」
「お子さんが缶バッジをつくっている間、10分から15分ずっと眺めている方は少なく、ほとんどの方に車を見ていただけます」
「そうすると『車って分割払いで月々7800円で買えるんだ』とか、そういう情報にいっぱい触れることができるんですよ」
「今日ショッピングで使った金額よりも、車の月々の支払いの方が安いんだと分かっていただけると『いま乗っている車、もうそろそろ替え時かなって思ってたけど、買っちゃおうかな!』って思って頂ける方もいらっしゃいます!」
お客様の日常が見える場所がショッピングモール。「何気ない会話をきっかけに、お店に足を運んでくれる」
立ち話をして知り合った方が、後日カーディーラーを訪ねてくれることもよくあるそうで、そのように、顧客に覚えてもらえるお店になることが、今までよりも大事になっていくのだと思います。
「インスタグラムとかフェイスブックに、缶バッジを作っているお子さんの写真を載せさせて頂いてます。お父さんとお母さんは、自分の子供が映った写真があれば、検索したくなりますよね」
「検索してもらう事で、どこの販売店なのか認知していただけますし、会場でお会いしていれば、カーディーラーにも訪ねやすくなると思います」
「これからの時代は、レンタカーとかシェアサービスが当たり前になってくることを踏まえた上で車を販売しないといけません。確かにそれらのサービスは便利ですが、車を持っていないと困る人が、たくさんいるのも事実です」
「そういう方が車を買おうって思った時に、なんとなくお客様の記憶に残る販売店でありたいと思っています」
その意味では、週末に3万人以上もの人々が訪れる埼玉県郊外のショッピングモールに車を展示することは、よく多くの方に認知してもらうためには効率的なのでしょう。
インターネットで私たちの生活が変わりつつあるように、車の売り方、買い方も、それに応じて変化してきていることを感じます。