犬のようちえん、ペットホテル、犬の介護サービスを通してワンちゃんの生活を総合的にサポートするOHANA HOUSE

「大切な家族の一員であるワンちゃんが安心して過ごせる施設」をコンセプトに、犬と飼い主に寄り添った最適なサービスを提供しています。

今回は「OHANA HOUSE」代表の内山さんから、犬と飼い主の理想的な関係と課題、「犬のようちえん」を中心とした缶バッジの活用方法についてじっくりとお伺いしました。



キーワードは「翻訳」translation


バッジマンネット:
「犬のようちえん」にはどのようなワンちゃんが通っているのですか?

内山:
ご家庭によって事情はさまざまですが、共働きで昼間ひとりになるワンちゃん、日常生活を快適に過ごすために、トレーニングが必要なワンちゃんが登園しています。

全てのワンちゃんが「お利口」であれば、トレーニングは必要ありません。

しかし、吠え癖や噛み癖があるために他の犬との交流が苦手だったり、気性が激しく室内を荒らしてしまうなど、飼い主さんにとって「困ったワンちゃん」は一定の割合でいるものです。

そんなワンちゃんに「お座りや待てなどの指示」「お散歩のマナー」を身につけてもらえるようトレーニングしています。

バッジマンネット:
しつけなどのトレーニングは具体的にどのようにして行うのですか?

内山:
ワンちゃんのトレーニングは「英会話」のイメージに近いかもしれません。

ご家庭で「ダメだよ!」と注意しても聞き入れてくれないのは、私たちと犬の言葉が違うからです。

「この言葉はこういう意味だよ」「だから、こう動いてね」と丁寧に翻訳して行動を促すことで、徐々に指示が通じるようになります。

キーワードは「翻訳」translation

私たち人間の「言葉」をワンちゃんが理解できるように「翻訳」して伝える。そのお手伝いをしているのがOHANA HOUSEの犬のようちえん です。



名札代わりの「缶バッジ」。クリスマスやハロウィンにもサプライズでプレゼント!


バッジマンネット:
犬と私たちでは言語が違うのですね。「犬のようちえん」では缶バッジをどのように利用していますか?

内山:
ワンちゃんの写真を缶バッジにして「登園バッグ」に付けてもらって、名札の代わりに利用してきました。

「犬のようちえん」では、1日最大30頭、1ヶ月延べ約450頭のワンちゃんが登園しているので、荷物の入れ違いや忘れ物を防ぐ意味でも「缶バッジ」はとても重宝しています。

ハロウィンやクリスマスなどサプライズで渡していますが、飼い主さんたちから非常に喜ばれています。




バッジマンネット:
ワンちゃんの缶バッジは飼い主さんにとっても嬉しいサプライズですね。缶バッジを知ったのはいつ頃ですか?

内山:
今から10年ほど前に、小学生が自分で描いたイラストを缶バッジにするイベントに参加した時に缶バッジと出会いました。

「犬のようちえん 」に導入したのは5年ほど前です。

イベントごとにお配りする缶バッジは大好評で「とっても可愛いから家族や親戚に配りたい」と飼い主さんたちから追加で注文をいただいています。



専門学校で身に付けたトレーニングやしつけの技術を発揮する場所を提供したい。


バッジマンネット:
内山さんが「犬のようちえん」を始めたのはなぜですか?

内山:
私は、動物関係の大学を卒業後、警察犬の訓練士として、ワンちゃんのお世話に悩む飼い主さんに寄り添いながら、個別でレッスンを行ってきました。

しかし、私ひとりがレッスンできるワンちゃんの数には限界があります。

もっと多くの飼い主さんの力になりたいと考えていた頃、ペット動物業界のプロを育成する「専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー」で教員として、未来のドッグトレーナーを育成する機会をいただきました。

「専門学校ルネサンス・ペット・アカデミー」では、学生の指導と並行して、リクルートのサポートも行ってきましたが、卒業後に学生たちが、せっかく身に付けた技術を発揮できる就職先が少なかったこともあり、そういった学生の受け皿として「OHANA HOUSE」を設立しました。

現在も学生のインターンを定期的に受け入れています。

バッジマンネット:
「ルネサンス・ペット・アカデミー」はどのような専門学校ですか?

内山:
「ルネサンス・ペット・アカデミー」は、専門分野を深く学ぶとともに、動物全般の幅広い知識・技術を習得し、業界の求める「プロ」になることを目指す専門学校です。

学科は「動物看護師科」「ペットエステ・トリミング科」「ドッグウェルネス科」「動物海洋飼育・アクアリウム科」の4つに分かれています。

学生は「自分が苦しい時期に動物から助けられた」「家族(ペット)の命を救ってくれた動物看護師さんに憧れた」など、動物と動物に関わる方への感謝や憧れの気持ちを抱いて進学を決めるケースが多いかもしれません。



過激な「動物愛護」が悲しい結果を招くことも。正しい知識と情報を取得して欲しい。


バッジマンネット:
最近、犬などペットを飼う人が増えている背景には少子高齢化などの理由があるのでしょうか?

内山:
もちろん、少子化高齢化も理由のひとつで、孤独な時間を一緒に過ごすことができるワンちゃんに癒しを求める方は多いかもしれません。

それと同時に、昔は当然のように加入していた子供会や町内会は強制されなくなり、近所付き合いが希薄になったことも大きな理由のひとつでしょう。

散歩などを通じて知り合った飼い主同士のコミュニケーションの輪が広がり、生きがいになっている方も多いのではないでしょうか。

バッジマンネット:
最近は、番犬として外で飼育するのではなく、家族の一員として室内で飼育される犬が増えています。飼育環境の変化によって問題が生じるケースはありますか?

内山:
犬種による特性を理解しないまま家に迎え入れてトラブルになるケースが増えています。

例えば、柴犬は、昔は番犬として外で飼われているのが当たり前でした。最近では室内で飼育する方が多く、柴犬特有の本能を十分に満たす飼育環境を準備することができません。

そのため、家具などを噛んだり、部屋を荒らしたり、過度に密着する飼い主さんに対して攻撃的になってしまうケースもあります。




万が一、迎え入れた後に問題が発生した場合は、犬には「人間と生活する上でのルール」、飼い主さんには「犬種が持つ気質や特徴の理解」など、双方に教育を提供することで良好な関係へと導くサポートをしています。

バッジマンネット:
最近、話題になっている「動物に対して与えるストレスなどの苦痛を最小限に抑える配慮」をして、動物の待遇を改善しようとする「動物福祉」についてどうお考えですか?

内山:
動物園や水族館などの大きな動物を扱う施設であれば「動物福祉」について今後も検討すべきだと思いますが、個人がペットを飼育する場合には、神経質になり過ぎるのも問題ではないでしょうか。

ネット上に溢れる、過激な「動物福祉」や「動物愛護」に関する情報から「犬は自由であるべき」「日本の犬はリードにつながれて散歩をしているから可哀想」と訴える飼い主さんもいらっしゃるようです。




しかし実際には、飼い主さんと一緒の散歩中であっても、車やバイクなど突然の大きな音に本能的な危険を感じた場合、犬は飼い主さんを振り切って突発的に「逃げない」という保証はありません。

その時、リードがなければ、最悪の場合、大切な家族の一員であるワンちゃんを目の前で失うかもしれません。

そういった事態も想定した上で、「お散歩は必ずリードをつける。手から離さない」など犬を飼う上での正しい知識と情報を飼い主さんに伝え、理解していただきたいです。




バッジマンネット:
これから犬を飼おうと考えている方にメッセージなどがあれば教えてください。

内山:
ワンちゃんとの生活は、私たちに癒しや生きがいなどさまざまな喜びをもたらしてくれます。

しかし、一旦、家族として迎えると決めた以上、最後まで添い遂げる覚悟が必要ではないでしょうか。

「可愛いから」「寂しいから」などと安易な気持ちで飼い始めて、時間的、金銭的な理由から手放そうとする方が増えていることを心苦しく思っています。

そして、家族として迎え入れるワンちゃんを探す際には「保護犬」を選択肢のひとつに加えていただけたらと思います。ペットショップやブリーダーさんで販売されているワンちゃんだけが、新しい飼い主さんを探しているわけではありません。

バッジマンネット:
犬の飼育には責任と覚悟が必要なのですね。これからの「OHANA HOUSE」の展望について教えてください。

内山:
ワンちゃんとのかけがえのない日々を積み重ねて、静かに最期の時を迎える。そんな幸せな家庭が増えて欲しいと思います。

「OHANA HOUSE」でのサービスを通じて、ワンちゃんと飼い主が良好な関係を築き、快適な毎日を送るサポートができれば、これほど嬉しいことはありません。さらに、ワンちゃんと飼い主さんのサポートができる個人や企業、犬のようちえんが増えてくれることを願っています。