カフェで行われた展覧会への出展をきっかけに、アートの世界へ飛び込んだメルヘンりえこさん。
メルヘンりえこさんの手から生まれたキャラクター「リボンちゃん」は今年でデビュー5年目を迎え、香港を始め、海外の方々からも人気が高まっています。
コロナ禍においても前向きに活動しているメルヘンりえこさんは、SNSを通して海外のお客さんと交流することもたくさんあるのだそうです。
そんなメルヘンりえこさんは、アーティスト活動の中で缶バッジを活用したワークショップも行なっています。
今回は、そのワークショップの内容やコロナ禍における活動、今後の展望等を詳しくお話を伺いました。
缶バッジのワークショップは言わば工場見学「とにかく楽しんでもらう工夫を忘れない。」
バッジマンネット:
ワークショップ講師としては、どのようなことをされているのでしょうか?
メルヘンりえこ:
参加者の方には私が書いたイラストに色を塗ってもらったり、名前を書いてもらったりします。それを私が缶バッジや缶バッジメダル、ミラー、マグネット等に仕立てて、お渡ししています。
元々は、私が絵画講師をしている保育園や子ども園でワークショップを行う予定だったのですが、緊急事態宣言が出てできなくなってしまいました。
そのため、現在は教育委員会や百貨店、洋服メーカーとのコラボイベントをさせていただいています。
参加する方は親子連れが多いです。子どもさんは持って帰るのも嬉しいようですが、作る工程まで楽しんでくれます。親御さんは「缶バッジっていうのはこうやって作るんだ」という感動を感じているようです。
缶バッジを作る工程を説明しながら制作すると、たとえるなら工場見学のような楽しさがあるのでしょう。さらに、「やった!」という達成感も感じてもらっている手ごたえがあります。
バッジマンネット:
メルヘンりえこさんのアーティスト活動と缶バッジは、相性がいいように思えます。しかし、缶バッジそのものは地味な印象もありますよね。
メルヘンりえこ:
私のワークショップの場合、缶バッジのマシンで機械的にガシャン、ガシャンと作っていく雰囲気ではありません。周囲には自分のキャラクター「リボンちゃん」の絵やソフビ人形等を置いて、かわいくてにぎやかな感じで取り組むように工夫しています。
私自身もイベントのときは、大きなリボン等を付けて、派手な服装で行っているんですよ(笑)。「楽しんでもらおう」という雰囲気を出すようにしています。
コロナ禍におけるSNSの繋がりにバッジのキャラクターも一役買っている
バッジマンネット:
今、コロナ禍となって1年ほど経ちますが、緊急事態宣言でイベントをなかなか開催しにくい状況だと聞いています。
メルヘンりえこさんはこの状況の中で、どのように活動しようと考えていますか?
ご自身のアーティスト活動の変化があればお聞きしたいです。
メルヘンりえこ:
私のフェイスブックやInstagramを見ていただけたらわかると思うのですが、コロナ禍だからといって落ち込んだことは書きたくないんです。反対に、ポジティブに持っていこうと考えています。
SNSを通してファンの方たちと交流をすることがあるのですが、その方を思い浮かべながら絵を描くことが、今はすごく楽しいです。
屋外でのイベントができない今、このようにSNSを使って交流する重要性を実感しています。
Instagramはアーティストだけではなく、どんな方々にとっても重要になっているように思います。もちろんアーティストにとっても、非常に大切ですよね。SNSが無ければ、海外の方とも誰とも繋がりがありませんから。
最近は、バッジマンネットさんのコラボキャラクター「バッジマンリボンちゃん」のアカウントも開設しました。
バッジマンネット:
こちらのバッジマンリボンちゃんは、どのようなイメージやコンセプトで誕生したのでしょうか。
メルヘンりえこ:
バッジマンネットさんのマシンは、アメリカ製ですよね。それで、アメリカの缶バッジ屋さんにいるリボンちゃんを想像して描きました。アメリカの田舎、カントリーサイドです(笑)
実は、バッジマンリボンちゃんに加えて、複数のアカウントを作っています。
リボンちゃんと共に野菜の成長を記録していく「リボンちゃんファーム」というアカウントも作ったんですよ。トマトやサヤエンドウなどの野菜のそばに、リボンちゃんの人形を置いて撮影しています。
このようにかわいらしいキャラクターがいると、普段は気に留めない野菜でも雰囲気が変わりますね。親近感が湧くように思えます。
普段、ファンの方が海外の景色をアップしてくれるので、私には「日本の日常を見てほしいな」という気持ちがあるんです。
それも、SNSがあるからこそできることです。自分の空間をシェアできるから、それぞれ違う場所にいながら同じ遊びができる、というような感覚が楽しいですね。
アーティストとしての今後の展望には缶バッジも顔を覗かせる
バッジマンネット:
今後、コロナ禍を経てアーティストとしてやっていきたいことはありますか?
メルヘンりえこ:
これからも絵を描き続けたいです。
実は今まで、アーティストとしての自分のスタイルに不確かな部分がたくさんあったんです。しかし最近、”ひらめき”がありまして、私にしかできないスタイルを確立できそうな気がしているんです。
そのひらめきがあって、制作途中の絵を急いですべて書き直す、ということもしました。
ここから『リボンちゃん』というキャラクターをもっと強くしていきたいですね。それをここ数日で発見できたのも、海外のファンの方のおかげです。
最近は、iPad Airで絵を描くようにもなりました。今度行う予定の、缶バッジのワークショップイベントのサンプルも作っています。
バッジマンネット:
今後も技術を突き詰めて磨き、鋭いものにしていかれるんですね。
メルヘンりえこ:
そうですね。磨き上げていきたいし、それとは別で頭の中にやりたいこと、作りたいこともたっぷりあります。
今回はインタビューがあるということで、このカフェでの展示を企画しました。
このカフェは私がアートの世界に入るきっかけとなった場所です。
もしかすると小さな缶バッジワークショップも、誰かにとっては大きな変化のきっかけになるかもしれません。
「次はこのカフェで、缶バッジの展示会をするのも面白そうだ」と今、思いつきました。そのときはまた、インタビューに来てくださいね。