観光客を呼び込む資源は、なにも人の目に留まりやすい場所にあるとは限りません。
観光地でなぜか下を見ながら歩く。その目線の先はなんと下水道の玄関口、マンホールです。
理解されるべき偉大な存在
下水道は国内外における成長戦略の柱として重要視され、下水道業界の技術・資産・人材は海外インフラへの日本が担う戦略資源として大きな役割を果たしています。
しかし、残念なことに日本国内においては認知される機会が少ない影の存在です。
もっぱら日本ではその存在は当たり前で”作ってしまえば、はい終わり”となりがちの下水道。
本来ならばその存在の重要性はもっと多くの国民に認知されるべきものです。
こうした背景があり、下水道広報プラットホーム(http://www.gk-p.jp)は日本の下水道に関する広報を行う為に立ち上がりました。
活動内容は下水道に関連する交流の場の設定や、関連分野とのネットワークづくり、広報研究会や発表会の開催など多岐にわたります。
メディアへの露出が多い活動に『マンホールカード』があります。
マンホールの蓋のデザインは、昔ながらのものもあれば、地元の象徴とも言える城郭。あるいはアニメキャラクターをデザインしたものまで。
これまでの常識を覆すカラフルでおしゃれなマンホールばかりです。
マンホールカードは地方公共団体が登録申請する事により発行されます。
1団体に1つしか登録ができないため、各地方公共団体は渾身の出来のマンホールの蓋を選んで登録します。
こうして出来たマンホールカードには、そのマンホールが設置されている”座標”が記されており、実際に見に行く事も可能です。
マンホールの蓋はいまや観光客誘致の一役を担っているのです。
ゲン担ぎとしてのマンホールの蓋
マンホールの蓋は観光客の誘致だけでなく、ノベルティ・物販にも活用されています。
富岡市観光協会(http://www.tomioka-silk.jp/)は受験生の為に、市内の一之宮貫前神社にて合格祈願の祈祷を受けたマンホールカードと缶バッジを世界遺産の富岡製糸工場にて配布しました。
マンホールの蓋は穴に『落ちない』為のもので、凹凸のあるデザインが『すべりにくい』として縁起がいいものとされています。
また、受験生が所信をつら『ぬき』、『さき』(前)へ進めるようにと『一之宮貫前神社』との語呂合わせをしています。
これは、受験生にとっては強力なゲン担ぎとなりそうですね。
こうした活動は、マンホールカードを登録済みの自治体では良く見られます。(『マンホールカード 缶バッジ』と検索してみて下さい)
これは丸いマンホールが缶バッジのレイアウトに最適(簡単にできる)であることと、缶バッジの製作コスト自体が非常に安価であるというのが要因です。
缶バッジグッズに関しては、マンホールグッズ倶楽部(https://manhole.thebase.in/)がマンホールごとの解説と豊富なデザインが魅力的でおすすめです。
我々の生活に欠かせない下水道。
下水道広報プラットホームを発端にした活動は、下水道に対する我々の認識を改めさせるきっかけとなり、そしてさらには、地方の観光資源となり観光客誘致にも大きく貢献しているのです。
理解を深めてもらうための第一歩は、その対象にほんの少しでも親しみを感じてもらう事です。
今では非常に強い影響力を持つ下水道広報プラットホームの活動には、今後も注目が必要です。