東京・福生市に拠点を構える創業1863年の老舗酒蔵、 石川酒造

敷地内に五感でお酒の魅力を体験できるお酒のテーマパークを設置するなど、老舗の伝統を守りつつも新しい取り組みを行う同酒蔵には年間約10万人もの予約見学者が訪れると言います。

そんな石川酒造では集客やイベント開催に際して缶バッジを使った取り組みを行っているのだそうです。

そこで今回は同酒蔵営業部広告デザイン担当の石川雅美さんに詳しくお話を伺ってきました。




バッジマンネット
福生市は東京とは思えないほど自然が豊かな町ですよね。水もすごく美味しいと聞きました。

石川:
そうなんです。実はここでは水道水を引いていなくて、蛇口をひねると地下150mから汲み上げた美味しい水が出てくるんですよ。中硬水で癖がなくてスッと飲める水で、水道水と違って飲んでいて引っ掛かりが全くない柔らかい水に恵まれた地域なんですよ。

ご存知かもしれませんが、お酒の味は水によって左右されるんです。ビールは8割が水でできていますし、日本酒に関してはほぼ水ですから(笑)ストレートに水の味が反映されてしまうものなのです。





バッジマンネット:
創業1863年ということで、これまで100年以上に渡って多くのお客様に支持されてきたのは水の美味しさが大きな要因になっているのかもしれませんね。

石川:
本当に素敵なお客様に恵まれていると思います。実は弊社では日頃の感謝の気持ちを込めて、お客様感謝デーを毎月開催しているんです。そこでバッジマンネットさんの缶バッジを活用させていただいています。

バッジマンネット:
具体的にはどのように活用されているのでしょうか?

石川:
敷地内にガチャガチャを設置しているのですが、ガチャガチャと缶バッジを組み合わせて使わせていただいています。缶バッジのデザインはオーソドックスなビールの蓋と同じデザインのもの、日本酒のマーク、会社名などを採用しています。

昔、ビンの蓋を集めるのが流行りましたが、今でもコレクター魂をくすぐられて全種類コンプリートするために何度もガチャガチャを回す方も少なくないのです。今ではイベントにおけるコンテンツの一つとして缶バッジは重要な役割をになっています。






バッジマンネット:
ガチャガチャと缶バッジを組み合わせて使われているとのことですが、物販ではなくガチャガチャにすることで得られるメリットは何でしょうか?

石川:
実は弊社のガチャガチャでは、缶バッジとお酒やおつまみの引換券をセットにしているんですよ。大当たりを引くと、大きな瓶の日本酒がもらえたりするんです。

でも、重要なのは商品の引換券ではなく、「ガチャガチャ」を通して缶バッジを売ることだと思っているんです。実は引換券と交換できる商品は全て直売店で売っている商品なので、わざわざガチャガチャを回す必要はないんです。

それでもお客様がガチャガチャを回すのは、童心にかえって遊び心を楽しむとか、何がもらえるか分からないドキドキを求めているからだと思うんです。そのまま直売店で購入するのとは違った付加価値を提供できていると思います。




石川酒造の直売店「酒世羅」の店内の様子

お酒好きはもちろんのこと、お酒が飲めない人も楽しめる商品ラインナップが豊富

バッジマンネット:
なるほど、直接販売するのではなく、間に何かを挟むことで違った価値を提供できると。石川酒造さんではその役割を缶バッジがになっているということなのですね。

石川:
その通りです。私たちは酒蔵ですが、人と人とのコミュニケーションや感情に強い関心を持って日々営業しているんです。

と言うのも、お酒はその場を盛り上げるものではありますが、決してその場の主役ではないと考えているのです。例えば、お酒は結婚式の幸せな空間を引き立てることはできますが、主役はあくまでも新郎新婦ですよね。

お酒はそれ単体では意味がないんです。コミュニケーションのキッカケだったり、感情の引き立て役であったり、そういった役割を担うのがお酒だと私たちは認識しています。




バッジマンネット:
すごく興味深いご意見だと思います。石川酒造さんでは敷地内にお酒のテーマパークを運営されていますが、これもお酒を核としたコミュニケーションを引き出すための仕掛けなのでしょうか?

石川:
そうです。実は開業前に海外の醸造所を何箇所か視察に行ったのですが、海外の醸造所では近くに地域の人がお酒を飲んだりお喋りしたりして楽しめるコミュニティスペースのようなものがあるんですよ。

日本ではあまりそういった取り組みを行っている酒蔵がないので、ぜひ日本でもやりたいと思って始めました。





バッジマンネット:
お酒のテーマパークを見学させていただいたところ、イタリアンのお店など日本酒とはミスマッチなお店が目に付きましたが、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?

石川:
知ってましたか?実はイタリアンと日本酒ってすごく相性が良いんです!(笑)

チーズと日本酒はどちらも発酵食品なので意外と相性が良いですし、日本酒は白ワインに近いので、適切なグラスを選ぶとワインのように香りを楽しむことができるのです。こんなふうに日本酒の新しい楽しみ方が発見できるそんな場所でもあるんですよ。





バッジマンネット:
まるでお酒の情報発信基地のようですね。とは言っても、コロナウイルスの感染収束に目処がつかない今、なかなかイベントなど開催しづらい状況ではありますよね。石川酒造さんではどのような取り組みを行っているのでしょうか?

石川:
この状況ですと、あまり大きな声で「ぜひ遊びに来てください」とは言いづらいと言うのが正直なところです。そこで弊社では缶バッジを活用して、お客様とSNS上でコミュニケーションをとっているんです。

最近は動画にも力を入れたいと考えていて、YouTubeを見てくださった方へのプレゼントに、動画限定デザインの缶バッジをプレゼントしているんですよ。




ここで重要なのが新しい缶バッジデザインをSNSにアップすると言うことです。コロナ期間中はあまりお客様がお見えにならないので、どうしてもSNSのネタが不足してしまうんですね。

でも、SNSはお客様と繋がる上で重要なツールでもあるため、SNSのコンテンツは常に充実させたいのが正直なところ。そんな時に新しい缶バッジを作るとSNSのネタになるんです。間接的ではありますが、コミュニケーションツールとして缶バッジを活用させていただいております。

まだまだ厳しい状況は続きそうですが、今後も缶バッジを活用して新しい取り組みにチャレンジしていきたいと考えています。