日本橋小伝馬町にある「アイアイエーギャラリー」そんな場所にある小さなギャラリーは、写真を通して楽しいことを模索することができる、たくさんの思いが詰まった空間です。
個展の特徴は地域参加型で楽しもうというもの。みんなで撮った写真を飾って生活の一部にしてほしい。そんなコンセプトのもとでつくられた小さなコミュニティの中にはゆったりとした時間が流れていました。
今回は「アイアイエーギャラリー」代表の稲葉和久さんに、個展に懸ける思いと缶バッジとの出会いについてじっくりとお話をお伺いしています。
旅行者や通りかかった何気ない人がふらっと入ってこれるギャラリーを目指す。
バッジマンネット:
ギャラリーをはじめられたきっかけについてお伺いしてもよろしいでしょうか?
稲葉さん:
たまたま写真が好きだったっていうのもありますが、もともと都市計画のコンサルに携わっていた経験もあったので、こういうコミュニティスペースみたいなところにギャラリーをつくろうかなと思ったのがきっかけですね。
コンサルの会社を辞めたとはいえ、今でも都市計画の仕事をしながらギャラリー運営をしています。
バッジマンネット:
ギャラリーにはどのような方がいらっしゃるんですか?
稲葉さん:
基本的には写真好きの人がよくいらっしゃいますね。ですが、私としてはたとえば旅行者の方がふらっと入ってきてくれたりだとか、興味ない人でもたまたま入ってきてくれる感じの方が好きですね。
ただやっぱり、何か著名な人がやってるから友達がやっているから「それじゃ見に行くか」っていう流れにでもならないと難しいなとは思いますね。
バッジマンネット:
なるほど。確かにそういう難しさはありますね。こちらの個展では作品の販売もしているんですか?
稲葉さん:
はい、個展では当然作品の販売もしています。しかし、企画展・公募展だと値段をつけるのはなかなか難しいですが、だんだんとそれに値段も付けたら面白いんじゃないかとなりまして。
バッジマンネット:
値段はかなりリーズナブルなものが多いですね。
稲葉さん:
企画展では参加者のみなさんが、各々に金額を決めているのでリーズナブルなものが多いですね。
バッジマンネット:
缶バッジを扱うことになったきっかけは何でしょうか?
稲葉さん:
弊店の2階にフォトグラファーの上田晃司さんとコムロミホさんご夫婦が営んでいる「MONO GRAPHY Camera & Art」という写真集やカメラ雑貨を扱っているお店があるのですが、そこで展示があるときに缶バッジをつくらせていただきまして。
そこで写真集を買ってくれた方に対して、缶バッジをプレゼントするっていうことをやってます。
バッジマンネット:
どういった缶バッジなんでしょうか?
稲葉さん:
展示作品や写真集に収録されている作品を缶バッジとして加工して提供させて頂いております。
たとえばこの缶バッジは、山登りYoutuberの「かほさん」の写真集を予約していただいた方に、写真集と一緒に限定で缶バッジをプレゼントしてるんですよ。
バッジマンネット:
これはどなたがデザインしたんですか?
稲葉さん:
写真集のデザイン素材を頂いて、私の方でレイアウトしています。かほさんが山登りをしているときのいろんな写真が素材になっています。
バッジマンネット:
おしゃれな缶バッジですね。素材をそのままデザインにしてもらえるなら喜ぶ人も増えそうですね。
稲葉さん:
そうですね。あとは缶バッジは子供たちに楽しんでもらうためのイベントに使ったりもしてますよ。
バッジマンネット:
それはどういったイベントなんですか?
稲葉さん:
公共の景観イベントの中で子供たちにチェキを持たせて、街中歩いて気になったものとか好きなものを撮ってきてもらい、チェキプリントをそのまま缶バッジマシーンでくり抜いて缶バッジにしたこともありました。
バッジマンネット:
なるほど。子供たちはどういう写真を撮ったりしてたんですか?
稲葉さん:
いろいろですね。なんでこんなもの撮ったんだろうっていうものもありましたけど、出来上がったものを見れば見るほど、子供たちがこういった景観を気にしてるんだなっていうのを感じましたね。 ただいろいろな風景を撮ってくる子供たちもいれば、花を撮ってくる子供たちが多かったっていうのも面白かったですね。
バッジマンネット:
花…ですか?それはなぜでしょうかね?
稲葉さん:
やっぱ花って綺麗じゃないですか。子供たちの中にも、街中いっぱいに花を植えた方がいいんじゃないかっていう考え方があるんじゃないかと思いますね。子供の素直な感情というか、表現が直接的っていうのもなんか特徴があって面白いですよね。
バッジマンネット:
確かにそうですね。つくった缶バッジの楽しみ方も人それぞれな感じがしますね。
稲葉さん:
そうですね。缶バッジをどこにつけるかっていう楽しみもまたあると思います。気軽につけられますし、飽きたら飽きたで外しやすいようにもなっていますから。
バッジマンネット:
缶バッジだったら帽子でも、トートバッグでも、私服にでもどこにでもつけられますもんね。飽きたらデザインを変えてまたつけ直すっていうのも、子供たちにウケそうな気がしますよね。
ギャラリーに展示する作品は、高いカメラは必要ない。
バッジマンネット:
フォト茶とはどういったイベントなんでしょうか?
稲葉さん:
フォト茶っていうのは、簡単に言うとお茶を飲みながらリラックスして写真を眺めようっていう写真展ですね。
フォト茶キット(フォトフレーム・写真用紙・お茶)を出展者にお渡しして、作品を額装して返送して頂くと、ギャラリーに展示される仕組みになっています。また、フォトフレームを自分の作品に合わせて加工することもできるようになっています。
バッジマンネット:
なるほど。「お茶を飲みながら」というのはありそうで無かった組み合わせですよね。
稲葉さん:
そうですね。フォト茶のコンセプトは「部屋に写真を飾るように、肩の力を抜いてギャラリーに写真を飾ってみませんか?」ですので、気軽に写真を飾る生活を楽しんでいただけたらと思いますね。
バッジマンネット:
これは一眼カメラなどで撮った写真に限るのでしょうか?
稲葉さん:
いえ、そんなことはないです。今ですとiPhoneで展示する人もいたりしますよ。写真をアップするのが特に好きな方はGRっていうカメラを使ったりしてるみたいですね。 私の中で、色々な形で、写真に触れてほしいという想いがあります。これからも写真と様々なものを組み合わせて、一般の人でも気軽に写真に触れられる環境をつくっていきたいですね。