ペットを飼っている世帯は日本全体で3割を越しているそうで、ペットは家族の一員という価値観や、屋内でペットを飼うことは馴染みのあるものとなりました。
しかし、ドイツやイギリスなど、公共交通機関や多くのレストランに飼い犬などと一緒に入ることができるペット先進国と比べると、まだまだペットを連れていくことのできる場所は少なく、環境面でのペットに対する整備は遅れているという現状があります。
そうした状況の中、アパレル事業を中心としながら、ドッグカフェやドッグラン、そしてホテルなどの、犬と一緒に過ごすことができる場所作りを行なっているのが、「DOG DEPT」です。
今回は、 DOG DEPT を運営している、株式会社ネットワークの卯木俊子さんにお話を伺います。
それぞれの犬で異なる「犬種」というニーズに対応できるアイテムは、缶バッジしかなかった
犬用の服が普及していなかった28年ほど前にペット業界に足を踏み入れ、飼い主やペット向けのアパレル商品や、一緒に出かけることができる場所作りに取り組んできたDOG DEPT。
「人と犬のライフスタイルを提案する」というコンセプトのもと、直営店では犬用のバックやカートなどのグッズ類も販売しており、今では全体の3割ほどがペットに関連したアイテムなのだと言います。
そこに含まれているアイテムの一つが缶バッジなのだそうで、ペット商品と缶バッジの結びつきに関して、卯木さんは次のように教えてくださりました。
「缶バッジを導入しようと思ったことには、わんちゃんに犬種がたくさんあることが関係しているんです。飼い主さんの中には、自分のわんちゃんの犬種のアイテムを欲しいという方が結構いらっしゃいます」
「でも例えばですけど、バックとかにゴールデンレトリバーってプリントしようとするのはあんまり現実的じゃないんですよね」
「それをするためにはプリント版を作ったりして、必然的に発注量も増やさないといけなかったりするので、一つ一つの犬種のアイテムを作ろうとすると手間もコストも凄くかかってしまうんです」
「その点、缶バッジなら自分たちで手軽に印刷して、好きな犬種のものをそれぞれ作ることができるし、在庫が少なくなってきてもちょっとずつ補充することができますよね」
「それに缶バッジは小さいから、わんちゃん用のカートにつけたりバックにつけたり、自由に好きなアイテムに付けることが出来るので、お客さんからしても良いアイテムなんです」
缶バッジの誕生日プレゼントで、一匹一匹のわんちゃんの成長を記録する
それぞれの犬種に合わせたアイテムを作るという取り組みは、コストをかけずにデザインを変えることができるという缶バッジの特徴を活かした利用方法だということができるかもしれません。
DOG DEPTでは、そのような缶バッジならではの利点を他の様々なシーンでも活用しているのだそうで、卯木さんは次のように語ります。
「店舗によっても変わるんですけど、ドッグカフェでは、わんちゃんへの誕生日プレゼントとしても缶バッジを利用させてもらっています」
「わんちゃん用のお肉のケーキで誕生日をお祝いする、という取り組みを行なっているんですけど、その時に撮らせてもらった写真でオリジナルの缶バッジを作って、お客さんに後日お渡ししているんです」
「あとはショップごとの周年イベントの時に、『いくら以上のお買い上げでわんちゃんの写真の缶バッジをプレゼントします』という風に、ノベルティのように活用することもありますね」
「その時もオリジナルの缶バッジを作っているんですけど、飼い主さんからしたら、世界で一個の愛犬の缶バッジってやっぱり嬉しいものなんだと思います。設定した金額を目安にお買い物してくれる方もいらっしゃいますし、缶バッジをお配りしている期間に合わせて来店してくれるお客さんもいらっしゃるみたいです」
「バックなどを作るときと一緒で、誕生日プレゼントやノベルティとして渡すアイテムもまとめて発注するのが基本的ですが、そうすると皆さんに同じものを渡すことになってしまうんです」と語る卯木さん。
しかし、わんちゃんの犬種や表情は一匹一匹異なるものですし、その時によって成長具合も異なるため、それぞれの飼い主さんやペットに合わせたオリジナルグッズを作りたかったのだと言います。
お客さんの中には、誕生日ごとに作った缶バッジを、コレクションのようにカートやバックに付けてくれている方もいるそうで、人間が誕生日に家族で写真を撮ることと同じように、その時のわんちゃんの様子を記録して、成長を確認することにも役立っているのかもしれません。
誕生日のお祝いという、愛犬との思い出作りにも缶バッジが活用されていることを思うと、思わず笑みがこぼれてしまいます。