企業の販促活動や商品展開の一環として、キャラクターや企業ロゴなどをデザインしたさまざまなグッズが製作されています。その中でも缶バッジは比較的コストを抑えて大量に製作でき、表面・裏面のパーツを変えればキーホルダー、マグネットなど、多様なグッズ製作にも展開できるため注目のアイテムです。今回は缶バッジのサイズや形状と、それぞれにあった利用シーンについてご紹介します。

ノベルティやキャラクターグッズに缶バッジがおすすめの理由

缶バッジは、企業や団体の広告宣伝やノベルティ、サブカルチャーグッズなど、多様なシーンで目にすることができます。ノベルティやキャラクターグッズとして、缶バッジがおすすめの理由は以下の通りです。

ユーザーとのコミュニケーションツールとして使える

サービスの販売促進の手法としてノベルティの配布や展示会出展などがあります。これらは企業そのものや提供するサービスについて認知獲得につながったり、興味を持ってもらったりすることができる反面、自社の顧客になってもらうためにはターゲットの興味を惹き付けるための工夫が求められます。

その方法の一例としては、単に缶バッジのみを配るのではなく、他のツールと組み合わせて使うことが考えられます。例えば「チラシと併せてユニークなデザインの缶バッジを配布し、通りがかった方との会話の糸口にする」「商業施設で一般消費者参加型のイベントを企画し、ノベルティとして缶バッジをプレゼントする」などの方法があります。
このように、ノベルティは企業とユーザーをつなげ、双方向のコミュニケーションを促進するツールとしての効果が期待できるのです。

集めて楽しめるコレクション性の高さがある

缶バッジは、さまざまなデザインやサイズが展開できることからコレクション性が高く、比較的安価で手に入るため、キャラクターやアーティストのファンが手軽に集めて楽しめるアイテムとして需要が高まっています。 最近ではブラインドパッケージの商品を集めるためにファン同士で交換するケースや、好きなキャラクターのグッズを大量にバッグに付けて、作品やキャラクターに対する愛を表現した「痛バッグ(通称:痛バ)」など、趣味の世界でも広い意味でのコミュニケーションツールとなっています。

内製化でコストが安く缶バッジ以外もさまざまなグッズが製作可能

グッズやノベルティを製作する場合、真っ先にぶつかるのが初期投資の問題です。まずは製作数や予算の観点から「生産設備を整えて内製する」のか、「グッズ制作を専門とする外部企業に委託する」のか判断する必要があります。そして、それぞれの方法で仕上がりや費用、納期までのスケジュールを加味した計画を立てます。外注の場合は自社だけではなく、外注先と製作スケジュールについても調整し、ロット数の制約もあります。

デザインにバリエーションを持たせて少量ずつデザインを変える場合や、季節やイベントによって頻繁にデザインを変えたい場合は、内製化の方が小回りが利くのでおすすめです。

缶バッジを内製化するメリットは他にもあります。缶バッジは、絵柄のついていない表側のパーツ(シェル)、絵柄を紙に印刷するためのプリンター、裏面の缶バッジパーツ(バックパーツ)、それらを結合させる缶バッジマシンがあれば生産可能ですので、初期投資を抑えることが可能です。缶バッジマシンを導入すると、1人でも簡単にバッジを生産でき、人件費も最小限に抑えられます。手動マシンでは1時間当たり約200個も製作でき、自動マシンにした場合は600〜1,000個生産できます。

缶バッジ内製化の実例については下記記事をご参照ください。

缶バッジサイズの特徴について

缶バッジをノベルティや商品として製作するにあたっては、サイズや形状を把握しておく必要があります。ここでは、一般的に流通している缶バッジのサイズやその形状について解説します。

・シンプルなデザイン向けの25mmサイズ

10円玉くらいのサイズの缶バッジで、服や鞄に複数個付けやすい小ぶりなサイズです。印刷範囲は限られるので、お店や企業のロゴや作品タイトルなど、シンプルなデザインに適しています。大きいサイズの缶バッジと組み合わせて販売することも可能です。

・ファッションアイテムとしても使いやすい32mmサイズ

キャラクターグッズやイラストをデザインする場合におすすめのサイズ。鞄や服のワンポイントに使いやすいサイズです。

・使いやすくデザインの幅が広がる38mmサイズ

32mmからほんの少し印刷範囲が広がり、印刷できるデザインの幅も広がります。例えば、企業や製品のイメージキャラクターと会社名を並べてデザインしたい場合は、38mm以上のサイズが適しています。

・きれいにディスプレイしやすい44mmサイズ

使いやすさと存在感を両立させるならこのサイズがおすすめです。他のアイテムとあわせて痛バッグに付けたり、趣味スペースなどに並べたりする場合でもディスプレイしやすいサイズです。

・グッズとしてもっとも人気のある57mmサイズ

企業のノベルティやキャラクターグッズとしてもっとも多く作られているサイズです。存在感があり、ノベルティとして配るだけではなく、店舗や展示会で従業員が付けることで、サービスや企業メッセージをアピールするアイテムとしても適しています。

・インパクト抜群の76mmサイズ

大きめのサイズで、バッグのアクセントとして付けることや、自宅の趣味スペースに飾ることを想定したものにおすすめです。印刷スペースが広いぶん、複数のキャラクターが集合したデザインにも対応できるので、キャラクターグッズに向いています。

・迫力満点のデカ缶バッジ100mmサイズ

自宅の趣味スペースに飾って楽しむことを前提としたコレクション品としての利用がおすすめです。キャラクターの多い作品のグッズや、「◯周年」など記念グッズとしての展開に向いています。

缶バッジ形状の特徴について

ここまでは、一般的な丸型の缶バッジを想定したサイズについて解説しましたが、缶バッジは丸型だけではなく、さまざまな形状があります。製作したいデザインや訴求の方向性に合わせたデザインを選びましょう。

・最も一般的な形状の丸型

丸型はもっとも汎用性の高い形状で、デザインやターゲット層を問わず使うことができます。初めて缶バッジを導入する場合や、幅広いデザイン展開をしたい場合におすすめです。

・長方形はちょっぴり個性を出しつつベーシック

長方形は使いやすさも重視しつつ、より個性を出したいという場合に向いています。また、長方形といっても角に丸みを持たせたものや、シャープな形状など細かい部分の違いで印象はがらりと変わります。

・ユニークな形状は個性を持たせたいときに有効

ユニークな形状はキャラクターグッズやノベルティで個性を持たせたいときには、星型や動物型などのユニークな形状の缶バッジが向いています。特殊な形状を選ぶとデザインによって使える場面は限られますが、他社や他製品との差別化が期待できます。

【用途別】缶バッジのサイズの選び方

缶バッジのサイズや形状はたくさんあるため、用途ごとにどのようなものを選べばよいか迷ってしまいます。そこで、用途別に適したサイズについて見ていきましょう。

・企業やイベントのノベルティとして選ぶなら

展示会やイベントのノベルティであれば、配布時の利便性や、配布した相手にとっての使いやすさを考慮して、用途にあわせたサイズを選びましょう。

57mmサイズだと視認性が良く、ブースを通行する方の目にも留まりやすいでしょう。さらに、バッジだけではなく、マグネットにしてデスク周りで使ってもらうという使い方も可能です。 また、このサイズは一般消費者を対象としたイベントでのプレゼントなどでも使いやすく、一方で特別なイベントや限定企画など、少ない製作数で話題性やインパクトを出したい場合は76mmや100mmという選択肢もあります。

・音楽系グッズとして選ぶなら

缶バッジは気軽に楽しめる音楽系グッズとしても人気です。ライブや音楽フェスなどのイベントだけではなく、CDの初回限定盤予約特典のノベルティでも活用されています。

販促グッズの場合では、一般的な57mmサイズが製作しやすく、キーホルダーやボトルオープナーなど、バッジ以外のグッズ展開にもおすすめです。

また、ライブハウスがドリンクチケットとして、缶バッジを活用しているケースもあります。ライブハウスのロゴをあしらったシンプルなデザインで、小ぶりなサイズが使われています。ライブグッズとして、サイズやデザイン違いのものがセット販売されることもあります。

・「推し活」を楽しむアイテムとして選ぶなら

好きな作品やキャラクター、アーティストなどのファンとしての活動、いわゆる「推し活」の一環としても缶バッジを収集し、自宅の趣味スペースに飾って楽しむニーズが増えています。「推し活」ニーズが高まる中で、WEBショップや100円均一ショップなどでも、缶バッジをディスプレイするのに適したグッズが販売されています。

集めた缶バッジは鑑賞するだけではなく、「痛バ」にも使われます。「痛バ」に関連するグッズとして、透明カバー付きの鞄やポーチなどが販売されています。「痛バ」にはキーホルダーやぬいぐるみ、缶バッジなどさまざまなアイテムが使われています。「見た目の統一性」や「お気に入りのキャラクターへの愛をアピールしたい」などの理由から、同じデザインのものを複数購入し、付けるパターンが多く見られます。

「痛バ」に使われる缶バッジは、複数購入して並べることを想定した場合、一般的なサイズである32mm~57mmがもっとも扱いやすいサイズです。また、キャラクターの人数が多い作品や限定グッズとして、76mm〜100mmのデカ缶バッジが製作されることもあります。

基本の「丸型57mm」はおさえておきたい

缶バッジは用途に合わせてさまざまなサイズ展開がしやすいアイテムです。缶バッジビジネスを始めるなら、まずはもっとも汎用性が高い「丸型の57mm」はおさえておきたいものです。さらに、デザインや用途に合わせて25mmサイズ〜44mmサイズも展開できると、活用の幅を広げられるでしょう。

利用シーンに合わせてサイズや形を検討しよう

グッズとしてコスパがよく、多様なシーンで活用できる缶バッジは、製作したいデザインや訴求の方向性に合わせた形状・サイズ選びがポイントです。

よりコストを抑えて効率よく展開するためには、まずは基本のサイズから始め、その後のキャンペーンの展開、商品展開やニーズを見て、サイズの幅を広げていきましょう。

また、缶バッジパーツの仕入れの際には、品質とラインアップにも注目したいものです。株式会社ベックの「バッジマンネット」には、缶バッジパーツや缶バッジマシンなどがそろっています。缶バッジの制作をお考えでしたら、ぜひ「バッジマンネット」をご覧ください。