昔からおなじみの缶バッジですが、推し活ブームの中で再注目されるアイテムの一つとして需要が増えています。缶バッジは、小さくて軽いため発送がしやすい一方、傷やへこみができやすいデリケートなアイテムでもあります。そのため、缶バッジを送る際は個数に合わせた適切な梱包・発送が重要です。
今回は缶バッジの量に応じた梱包・発送の方法や注意点などを解説します。
缶バッジの基本的な梱包・発送方法
初めに缶バッジの一般的な梱包や発送について説明します。
缶バッジ梱包の重要性について
缶バッジは種類によって多少の強度の違いはありますが、いずれも薄く加工されているため配送の際に変形するリスクがあります。
缶バッジは多様なデザインがあるものの、構造はとてもシンプルです。デザインのついたシェル(上蓋)と、ピンやクリップのついたバックパーツ(下蓋)の上下パーツで構成されており、いずれも薄い金属板であることから、ちょっとした衝撃でもへこむ、歪むといったリスクがあります。
また、缶バッジの命でもあるデザイン面に、こすれや衝撃によって傷が入ったり剥がれたりしては台無しです。
さらに、金属製であるため、湿気があるとサビが出る可能性もあります。そのため、適切な扱いをしないと商品価値を損なうという危険性もあり、梱包はとても重要なのです。
缶バッジの構造や作り方についてもっと知りたい場合は、「 缶バッジの作り方例:ビジネスのための缶バッジ活用術」をご覧ください。
缶バッジの梱包と発送方法について
缶バッジの梱包と発送方法について具体的に見ていきましょう。
◇ 缶バッジの梱包に必要な資材
缶バッジの梱包に必要となる資材には以下のようなものがあります。
- 透明OPP袋:缶バッジそのものを保護します。中のデザインが見えるので種類分けにも便利です。多様なサイズがあり、個包装・複数包装と必要に応じて使い分けが可能です。
- 緩衝材:発泡スチロール、エアキャップ、発泡ポリエチレンシート、クッションペーパー、エアー緩衝材、紙パッキンなどがあります。発送する缶バッジの量と外箱の状態に応じて使い分けると良いでしょう。
- 乾燥剤もしくは防錆剤:缶バッジのサビを防ぐための薬剤です。湿気を防ぐためには袋の中に入れることが大切ですが、保管の期間に応じて封入の要・不要を判断します。防湿効果は長く続かないため、長期保管の際には防錆剤の使用がおすすめです。防錆と乾燥両方の作用を持つ製品もあります。
◇ 缶バッジの梱包手順
缶バッジの梱包手順とポイントを確認します。
- 個包装して、補強が必要な場合には台紙を入れます。
- 複数の缶バッジをまとめて包装する場合は、シェルとバックパーツが触れ合わないようにすることが大切です。バックパーツを付き合わせた「マカロン」状にするか、平らになるように包装すると良いでしょう。
- 箱に緩衝材を入れて缶バッジを置き、隙間に緩衝材を詰めて缶バッジが動かないよう固定します。この時、上下左右で缶バッジが直接外箱に触れないように注意します。ごく少数の缶バッジであれば、包装した缶バッジをエアキャップで包み、封筒に入れて発送することも可能です。
◇ 缶バッジの手頃な料金での発送方法
現在は各配送業者がさまざまな料金プランを提供していますが、ここでは郵便の場合を紹介します。
定型郵便
・重さ25g以内:84円
・重さ50g以内:94円
定型外郵便:規格内(長辺34cm以内、短辺25cm以内、厚さ3cm以内)
・重さ50g以内:120円
・重さ100g以内:140円
・重さ150g以内:210円
・重さ250g以内:250円
・重さ500g以内:390円
・重さ1kg以内:580円
定形外郵便:規格外(1kg以下)
・重さ50g以内:200円
・重さ100g以内:220円
・重さ150g以内:300円
・重さ250g以内:350円
・重さ500g以内:510円
・重さ1kg以内:710円
レターパックプラス:520円(A4サイズ/重さ4kg以内)
レターパックライト370円(A4サイズ/重さ4kg以内/厚さ3㎝以内)
クリックポスト:185円(長さ14~34㎝/幅9~25㎝/厚さ3㎝以内/重さ1㎏以内)
ゆうパケット:3辺合計60cm以内、重さ1㎏以内
・厚さ1㎝以内:250円
・厚さ2㎝以内:310円
・厚さ3㎝以内:360円
缶バッジの個数による発送の違い
缶バッジの個数に合わせた発送について見ていきましょう。
◇ サンプル・少数(目安:5個以内)での発送の場合
サンプル品やごく少量の発送の場合は、軽量のため上記で紹介したような箱詰めの方法のほか、定型郵便・メール便の利用が可能です。
外箱なしの場合でエアキャップを利用する時には、エアキャップを2重にするとより緩衝効果が高まり安心です。
定形外郵便で発送する際は、クッション封筒の利用がおすすめです。封筒そのものに緩衝効果があり、低コストで発送できます。
◇ 多数の発送の場合
コスト・予算とのバランスから個包装にするか複数まとめての包装にするかを検討します。大入り用OPP袋にまとめて詰める際には先述のマカロン方式、平入れ方式のいずれかで、極力ダメージを軽減するよう意識しましょう。また、特殊加工などのデリケートなデザイン缶バッジではとくに注意が必要です。コストを意識するあまり、発送中に缶バッジを傷つけてしまわないよう梱包・発送方法は慎重に検討しましょう。
しかし、どれだけ気を付けていても梱包や発送の段階で傷やへこみができてしまう場合はあります。そうした対策として、あらかじめ注文品と同じものを予備品としていくつか同梱する方法があります。予備品の数に決まりはありませんが、注文数の5%ほど(100個の注文に対し5個の予備品)が適正でしょう。
缶バッジの在庫管理
受注生産ではなく、在庫を抱える業態であれば、在庫管理も重要です。ここでは一般的な中小倉庫業の在庫管理方法に関して解説します。
◇ 缶バッジの管理で湿気は大敵
缶バッジの管理でもっとも気を付けたいのが、湿度です。サビが出てしまうと缶バッジの商品価値が失われてしまい、大きな損失となりかねません。
倉庫の湿度調整のために、乾燥剤もしくは防錆剤を入れる、真空封入をするなどの工夫をする必要があります。
乾燥剤は防錆剤に比べると安価ですが、単に空間内の水分を取り除くという効果しかありません。保管場所の環境次第では外気温との差から結露が発生し、乾燥剤では追い付かないことも多々あります。
一方、防錆剤は金属面に防錆効果をもたらす膜を張るため、在庫管理においてのサビ対策としてはこちらが有効です。
どの程度の期間、どのような環境で保管するのかによっても異なりますが、湿気対策を徹底することが大切です。
◇ 缶バッジの素材と完成品では管理意識が異なる
缶バッジを素材のまま保管するのか、すでに商品となっているものを保管するのかによっても、管理方法が違います。
また、商品化されているものにはブームがあり、ブームが過ぎれば商品価値が低下する可能性があります。そうした意味で、キャラクター・デザインに関する情報管理も必要です。
不変的で人気のあるデザインであれば問題ありませんが、旬のあるデザインの缶バッジについては、不良在庫となる前に処理方法を考えておく必要があります。
缶バッジに限らず、余剰在庫・在庫不足を防止するためには、入出庫管理の適正化が重要なポイントです。倉庫の管理業務には、以下のような作業が伴います。
- 入庫:伝票と実物の照らし合わせ、中身の点検、保管場所に仕分け
- 出庫:ピッキング、検品、梱包、出荷伝票との照らし合わせ
- 在庫管理:ロケーション管理、在庫の変動を確認、棚卸
何がいつ入り、どのような状態で保管されているのか、出庫の予定も併せて統括的に把握・管理することでロスを回避し、効率的な在庫管理が実現します。
缶バッジ事業を始めるのなら梱包・発送にもこだわろう
最近ではプリント技術の向上により、缶バッジのデザインも多様化しています。新たな事業展開、マーケティング戦略に活用を考えている企業も多いのはないでしょうか。インパクトがあり、軽量で比較的安価に生産が可能な缶バッジですが、せっかくオリジナルで作成しても在庫管理や梱包・発送に不備があると、その価値が失われる可能性もあります。個数や発送の状況に合わせた適切な扱いを知ることが大切です。
株式会社ベックの「バッジマンネット」では、缶バッジのあらゆるお悩み解決やビジネス活用へのヒントになる情報を提供しています。各種パーツの最短当日発送も可能なバッジマンをぜひご利用ください。