インターネットの普及によって、ゲームや遊び方も多種多様に変化を遂げています。ガチャガチャやガチャポンと呼ばれるカプセルトイを、ネット上で再現したオンラインガチャもその1つです。何が出てくるかわからない楽しみはそのままに、場所を選ばずに遊べる気軽さによって幅広い浸透が見られます。推し活人気やカプセルトイブームの再燃を受け、今後の市場成長が期待されるオンラインガチャについて解説します。

オンラインガチャとは?

初めにオンラインガチャの基本的な知識を解説します。

オンラインガチャの概要

オンラインガチャとは、オンライン上でガチャガチャ(カプセルトイ)を回してランダムに商品を獲得するシステムです。

通常の店舗にあるガチャガチャの場合では、好みの品が入っている機械を選びその場で商品を持ち帰りますが、オンラインガチャでは当たった商品は登録住所に配送されます。オンラインガチャの流れは以下の通りです。

  1. 会員登録して氏名・配送先住所を入力する
  2. ガチャのカテゴリーを選ぶ
  3. 購入したい数を選ぶ
  4. 決済方法を選ぶ
  5. ガチャをネット上で回す
  6. 当たった商品が自宅に配送される

▼ ガチャガチャによるビジネス参入については以下の記事をご覧ください。▼

オンラインガチャが広まった背景

現在では数多くオンラインガチャが提供されていますが、人気が高まった背景としてはコロナ禍での自粛があげられます。行動制限により外出を控えたことで、オンライン上での楽しみに目が向けられるようになりました。さらにコロナ禍以前からガチャガチャブームが再燃していたことで、オンラインガチャの需要が高まりました。

ガチャガチャは、世界規模で人気がある日本のアニメやコミックのキャラクターが商品となっており、訪日外国人の間では日本独自の文化として認知されています。空港にガチャガチャを設置したことで、帰国時にあまった小銭の使い道として重宝されるといったことも認知が拡大した要因です。さらに特定の地域でしか手に入らないご当地ガチャはお土産としても人気があり、これを目当てに各地を巡るコレクターもいるほどです。

また、ブームとなっている推し活では、アニメやゲーム、ミニチュア、アイドルグッズなど、ガチャガチャとの相性が良い対象が多く、さらに追い風となっています。

こうしたリアルなガチャガチャ人気の延長として、場所を選ばずにどこからでも楽しめるオンラインガチャにも大きな注目が集まるようになりました。

▼ 推し活、オタク文化に関連する情報は以下の記事をご覧ください。▼

オンラインガチャのメリット・デメリット

オンラインガチャのメリット・デメリットについて、利用者側と提供側で解説します。

利用者側のメリットとデメリット

メリット》

  • 出かける必要がなくイベント会場のように並ばずに推しグッズを獲得できる
    オンラインガチャであれば人混みが苦手という人でも人気グッズを入手することが可能です。
  • 物理的な制限がないため幅広く探せる
    リアルなガチャガチャの場合は、ガチャガチャのマシンを巡って欲しい商品を探す必要がありますが、オンラインガチャではその場でたくさんのガチャを見られます。
  • その場で景品がわかる
    リアルなガチャガチャと同様にその場で当たった商品を確認できます。
  • オンラインならではの景品がある
    リアルなガチャガチャにはないボイスメッセージや動画などの景品もあります。
  • 地域限定のご当地ガチャも入手できる
    その土地に行かなくてもご当地ガチャが手に入るオンラインガチャも登場しています。

▼ ご当地ガチャについては、以下の記事でくわしく解説しています。▼

デメリット》

メリットが多いオンラインガチャですが、店に置いてあるガチャポンを実際に回すわけではないため、どうしても高揚感に欠けると感じる場合もあります。

事業者側のメリットとデメリット

《メリット》

  • ゲーム性により客単価アップが期待できる
    ガチャガチャのゲーム的な面白さによって次々と引き当てようとするため、自然と単価が上がる傾向があります。
  • 比較的コストを抑えて事業展開が可能
    実際にマシンやスペース確保する必要がないため、リアルガチャにくらべるとコストを抑えた運用が可能です。
  • カプセルサイズや商品サイズの制約がない
    カプセルに収納するわけではないため、商品のサイズに制約がなく、多彩な商品展開ができます。

デメリット》

  • 顧客管理、配送などの業務フローの整備が必要
    会員登録から得た情報の管理、商品配送フローなどの体制整備が必要です。
  • オンラインガチャのプラットフォームが必要
    オンラインガチャを実施するためには自社でプラットフォームを立ち上げるか、サービスを利用する必要があり、いずれにしてもコストが発生します。

オンラインガチャの例

オンラインガチャの具体的な例を紹介します。

  • EXILE TRIBE STATION
    人気アイドルグループ「EXILE TRIBE」の関連グッズを当てられるオンラインガチャです。所属するグループ数が多く、またシーズンや衣装などによる豊富なバリエーションを特徴としています。利用するには1プレイごとに500円のプレイコインを購入します。
  • clove
    ポケモンカード、遊戯王、ヴァイス、ワンピースなど、人気カード専門ガチャです。こちらも一口500円から遊べます。国内最大級のオンラインオリジナルパックガチャとして知られ、不要カードをポイントに還元できます。
  • ガシャポンオンラインナムコパークス
    さまざまなアニメやゲームキャラクターとのコラボグッズを販売するオンラインガチャです。商品はまとめて発送でき店舗受け取りも選べます。オリジナル商品を多数提供しており、ミニチュア系などキャラクターやアイドル以外のジャンルも豊富です。

オンラインガチャを始めるには

オンラインガチャビジネスを始めるための流れと注意点を解説します。

オンラインガチャビジネスの流れ

◼︎ 企画

初めにオンラインガチャビジネスの方向性を決めます。主軸となる要素には以下のようなものがあります。

  • ターゲット層
  • 商品の種類
  • ガチャの種類
  • 価格
  • プロモーション方法

◼︎ ガチャシステム選定

オンラインガチャを提供するためのシステムには、自社開発と外部サービス利用の2つの方法があります。

自社開発の場合は自由度が高く、オリジナルのガチャシステムを構築できますが、開発コストや運用コストがかかります。外部サービス利用では、初期費用や運用コストを抑えられますが、扱う商品や運用方法などの自由度は低くなります。

◼︎ 商品製作

商品製作には自社製作と外部委託の方法があります。自社製作の場合は製作のための設備投資が必要ですが、品質やデザインを自由にコントロールできるのがメリットです。外部委託の場合は、初期コストを抑えられますが品質やデザインに制限があります。

◼︎ 商品発送

獲得した商品を自社で発送するか、配送業者に委託するかを選択します。自社発送の場合には商品管理を始めとする作業フローの体制整備が必要です。

オンラインガチャビジネスの注意点

オンラインガチャのビジネスでは以下の点に注意しましょう。

  • 景品表示法の遵守
    景品表示法では、景品の価値や当選確率を偽って表示することが禁止されています。ユーザーに誤解を与えないよう配慮しましょう。
  • 個人情報の保護
    オンラインガチャでは、商品発送のための氏名や住所といった個人情報の管理が必要です。漏洩や不正アクセスの防止に努め、ビジネス上の信頼性の確保が重要です。
  • トラブルの防止
    ユーザーからの不満やトラブルを回避するために、利用規約やガイドラインを設定し明示する必要があります。

新たな販路拡大の可能性を開くオンラインガチャ

オンラインガチャは近年人気が高まっているビジネスモデルです。しかし、成功するためにはしっかりとした企画と運営が不可欠です。また、ユーザー満足度を高めるためには、何よりも商品品質の維持を意識する必要があります。

ガチャガチャの景品で定番となるのが缶バッジです。缶バッジ製作は比較的ほかのグッズよりも始めやすく、バリエーションも豊富にそろえられるのがメリットです。高品質な缶バッジ提供によりビジネスの可能性を高めるためにも、缶バッジのプロであるバッジマンネットをぜひご利用ください。