缶バッジは企業やブランドをPRするのに最も有効なアイテムの1つです。
缶バッジは配布した後もカバンや衣類に付けたり、マグネットなら冷蔵庫やロッカーに貼ったりと日常生活に取り入れてもらっている間は必ず誰かの目に入るので、広告としての効果を期待できます。

有名な企業のロゴはその詳細を説明する必要も無く、誰もがそのロゴだけを見れば企業やブランドを認識できます。ロゴとはその企業やブランドが培ってきた信頼と歴史そのものといえるでしょう。
こうした有名企業やブランドであれば、ロゴを配置するだけのシンプルなデザインでも受け手にとって価値あるものになり得ます。

しかし、このような有力なブランドを持たない場合はどうしたらいいのでしょうか?
おそらく知名度の高い(これから高めたい)自社のキャラクター、所謂『ゆるキャラ』などを使ったデザインを採用するはずです。

そうした場合にぶつかるのが、『社名やブランド名をいれたいけど、せっかくのこだわりのデザインを損ねてしまう』あるいは、『敬遠される缶バッジになってほしくないから、できればかわいいキャラクターだけにしておきたい』といった悩みです。

 

社名が目立ちすぎると逆に印象が悪くなる

年末になると貰うカレンダーを想像してみて下さい。世界各地の絶景や、かわいい風刺画のカレンダーだったとしても、大きく社名が表示されているとすっかり飾る気が失せてしまいます。
困ったことに、そういったごく僅かにネガティブな感情が原因で企業に悪印象をもたれるケースも十分にあり得ます。

そして、それは缶バッジも例外ではありません。

缶バッジが企業PRに重宝されるのは確かですが、身に付けたり、飾ったりといった缶バッジ本来の用途で使用され難いのも事実です。
これでは企業にとって効果的なPRができているとは言い難いでしょう。
しかし、その原因が社名の過剰アピールにあるなら、取れる対策はあります。

 

答えは、『まきしろ』を活用すること

缶バッジのデザインを考えるとき、通常はその缶バッジの完成サイズに合わせて要素のレイアウトを行います。
用紙を切り抜く際は完成サイズよりも数ミリ大きく切り抜きますが、その余白の大部分は製作時にパーツ内部に折り込まれる『まきしろ』部分になります。
しかし、実際にはその『まきしろ』部分にもまだ活用できるスペースが存在します。

たとえば『44mm』の缶バッジであれば、正面から見えるサイズはφ44mmの範囲ですが、用紙の切り抜きサイズは53.04mmとなっています。
この内、左右上下2mm程度の範囲はパーツの中へ折り込まれますが、同様に2mmほどの余りが生じます。
これが缶バッジの側面として残る部分であり、さりげなく社名を入れるならば十分なスペースです。
正面からはほとんど見えない部分であるため、デザインを損ねる事もありません。

 

 

◇ 正面から見るとメインとなるキャラクターしか見えませんが…

 

◇ 側面から見ると企業名が確認できます。

 


企業にとってはPRの為のノベルティであっても、受け取る側からすれば重要なのは身につけられる(あるいはコレクションするに値する)デザインかどうかです。
『まきしろ』の活用は、そうしたギャップを埋める最も簡単な解決策です。