缶バッジは、キャラクターグッズや企業の販促アイテムとして幅広く活用されているアイテムのひとつです。CMや紙面などの広告だけではコミュニケーションが一方的になりがちですが、イベントやキャンペーンなどでノベルティとして缶バッチを活用することにより、ユーザーとの双方向的な関係構築と、能動的な利用促進を図れます。

また、缶バッジはデザイン性から、集めること自体にも楽しみがあり、「推し活」など趣味の領域でもニーズが高まっています。実際に缶バッジビジネスを始める場合は、製作過程にはどのようなものがあるのかを把握し、それぞれの製作手法に合った設備や缶バッジ製造機(以下:缶バッジマシン)を選定する必要があります。そこで今回は、缶バッジの具体的な製造手順や機械について紹介します。

販促活動だけでなく趣味でもニーズが高まる缶バッジ

缶バッジは企業とユーザーをつなぐコミュニケーションアイテムだけでなく、身につけることで何らかのメッセージを他者に発信するアイテムとして、さまざまな場面で活用されています。

また、趣味性の高いアイテムでもあるため、「推し活」においてもニーズが高く、コレクションやディスプレイとして活用するアイテムとしても多数展開されています。

缶バッジの製作手順

缶バッジに対しての多様なニーズに応え、効率的に生産できる体制を整えるためには、まず設備の見直しが必要です。

缶バッジはさまざまな形状やサイズがありますが、企業のノベルティやキャラクターグッズとしてメジャーなものは丸型の32mm、38mm、44mm、57mm サイズです。そのほかデザインや利用シーンに合わせて、さまざまな形状や大きさのものも製作可能です。缶バッジ本体を作る設備があれば、バックパーツの選択次第でキーホルダーやマグネットなど、多様なグッズ展開も可能です。

缶バッジのサイズや形状の選び方については「企業PRでおすすめの缶バッジのサイズや形状の選び方について(10月納品記事へリンク)」で解説しています。

手動マシンで缶バッジを製作する基本的な流れ

※「How to make | ビジネスのための缶バッジ活用術」にて、缶バッジの製作手順を写真と動画付きで紹介しています。

  1. まずは、缶バッジ用に使いたいデザインをプリントアウトします。缶バッジのメーカーなどのWEBサイトにテンプレートがあるのでそれを活用しましょう。
  2. 専用カッターでデザインを切り取ります。
  3. 缶バッジマシンのピックアップダイ(浅い方の金型)に「シェルパーツ」「2で切り取った用紙」「フィルム」の順にセット。フィルムのセッティングの際には、ホコリを巻き込まないように注意しましょう。
  4. テーブルを回転させ、3でセットしたパーツを奥側(プレス部分)にセットします。
  5. ハンドルを下ろしてプレスします。
  6. クリンプダイ(深い方の金型)にバックパーツを設置し、再度テーブルを回転させて奥側にセットします。
  7. ハンドルを下ろしてプレスします。
  8. 回転テーブルを最初の位置に戻し、できあがった缶バッジを取り出します。

基本的な手順はだいたい同じですが、導入にあたってはカッターの違いや缶バッジマシンを手動にすべきか、自動にすべきかなど、検討するポイントがいくつかあります。

缶バッジマシンと設備の選び方について

缶バッジマシンはどれでもよいというわけではなく、「多品種少量生産でコストを抑えたい」「効率的に量産したい」といった製作する量や種類、コストによって、それぞれ適したものがあります。

また、類似するタイプのマシンであっても、仕上がりに違いが出てきます。そこで、缶バッジ製作に揃えたい設備と、缶バッジマシンの選び方のポイントについて説明します。

・きれいに仕上げるならカッターも専用のものを

缶バッジに使う用紙はフィルムサイズに合わせてハサミで切り取ることも可能です。しかし、きれいな仕上がりを考えると、専用のカッターを揃えておく必要があります。

カッターには、コンパスのように用紙を丸く切り抜くタイプのものや、製作したいバッジの直径に合わせた型に用紙をはめ込んで切り抜くタイプがあります。後者の方がより正確に切り抜くことができるので、まとまった数を製作する場合は後者がおすすめです。

・低コストで綺麗な仕上がりを目指すなら米国製手動缶バッジマシン

缶バッジマシンは主に米国製、日本製、中国製のものがあり、コスト面から米国製や中国製のマシンを導入するケースが比較的多い傾向にあります。

米国製マシンの場合は、中国製マシンに比べると初期コストはかかるものの、缶バッジの本場であるため、金型の質が良く精度の高い仕上がりが期待できます。しかし、金型の交換ができないため、複数サイズの缶バッジを製作する場合はサイズごとにマシンを購入する必要があります。

日本製マシンの場合は、中国製、米国製より高価ですが、その分プレス後のシワも少なく、より綺麗な仕上がりが期待できます。しかし、パーツも日本製のものを使用するとなると、導入後のランニングコストも高くなる傾向があるので注意しましょう。

中国製マシンの場合は、金型を入れ替えることにより、さまざまなサイズの缶バッジを1台のマシンで製作できる便利なタイプもあります。形状の自由度が高く、ハート型のようなユニークな形の缶バッジの製作をする際には検討したいものです。リーズナブルで省スペースも期待できますが、メーカーによって品質にばらつきがあるため、仕上がりについてはある程度妥協する必要があります。

・少量生産で内製するなら手動缶バッジマシン

缶バッジの製作総数が比較的少量の場合は、自動タイプより安価な手動タイプで内製することも可能です。手動タイプのプロ仕様缶バッジマシンの場合では、1時間あたり約150~250個を製作できます。缶バッジを複数サイズかつ少量で内製する場合には、金型を入れ替えられるタイプを選ぶとより効率的でしょう。

しかし一方で、手動マシンの場合は作業者次第で缶バッジの仕上がりにばらつきがでる場合があることも考慮しなくてはいけません。

まとまった数を生産する場合は、缶バッジ製作代行会社を利用するという選択肢もあります。缶バッジ製作代行会社はサイズごとにマシンを揃えているため、複数種類を同時に製作できる体制にあり、より生産効率を上げることができます

マシンを購入して内製する場合も、缶バッジ製作代行会社に依頼をする場合も、使い方に適したスペックや設備であるかを確認して選定する必要があります。

・一定品質で大量生産するなら自動缶バッジマシン

缶バッジマシンには自動タイプもあります。缶バッジを手動マシンで製作する際は、作業者の力の入れ加減で圧力が変わり、仕上がりにばらつきが出ることがあります。しかし自動タイプの缶バッジマシンなら、圧力が一定になるため、不良品が発生しにくいというメリットがあります。また、回転テーブルの操作やハンドル操作によってプレスする工程を自動化できるため、仕上がりを一定に保ちつつ、大量生産したい場合に適しています。

自動缶バッジマシンの場合、1時間当たり約400~1,000個の生産能力があります。オペレーターの練度によっても差はありますが、まとまった数を効率よく生産することが可能です。個々のマシンによっても自動化できる範囲などに違いがあるため、仕上がりだけではなく、工数や人員などとの兼ね合いを加味しながら検討するといいでしょう。

稼働体制にあったマシンを導入しよう

缶バッジビジネスを始める際には初期投資はもちろん、生産体制における課題が解決できるマシン選びは重要なポイントです。どのような缶バッジを、どのくらいの量とスピードで生産したいのか、あらかじめ自社のニーズを把握し適切な缶バッジマシンを選ぶようにしましょう。

株式会社ベックの「バッジマンネット」では、高品質な缶バッジマシンやカッターはもちろん、パーツのラインアップも幅広く、缶バッジ製作におけるさまざまなニーズに対応できます。缶バッジビジネス参入をご検討の際は、ぜひ一度チェックしてみてください。