2025年に大阪で再び万博が開催されることになりました。
前回1970年の大阪万博はアジア・日本で初めての開催で当時最大規模、1964年に開催された東京オリンピックに引き続く国家プロジェクトでした。
そして今回の開催もなんと2020年東京オリンピック開催の5年後になります。
日本の東西の主要経済圏で短期間に続けて国際行事が開催されることの意味は非常に大きいのではないでしょうか。

オリンピックと万博の開催によって景気は少なからず上昇するはずです。
その際に重要な要素の1つとして外国人旅行客の存在があります。今回はオリンピックと万博の開催で間違いなく増えるはずの外国人旅行客について見てみましょう。

 

観光立国を目指す日本政府は、東京オリンピックが開催される2020年には訪日外国人旅行者数4,000万人を目標として掲げています。
これは東京オリンピックの開催が決定した当初(2014年)に設定した目標である2,000万人を大きく上方修正した結果です。
JNTO(日本政府観光局)によると2017年の訪日外国人旅行者数は2,869万人超。
2018年1~7月時点での訪日外国人数は1,873万人となっています。(JNTO:https://statistics.jnto.go.jp/graph/#graph–inbound–travelers–transition)
開催は2年後ですが、2014年から平均28%以上の増加を続けている事を考慮すれば、目標の4,000万人を達成する事も不可能ではありません。
(※2030年の目標は6,000万人)

そしてそれを確実にするため、政府は『観光ビジョン実現プログラム2018』というアクションプランを設定。(http://www.mlit.go.jp/common/001238096.pdf)
訪日外国人旅行者数4,000万人という目標達成の為、国家プログラムとして地方自治体と共に取り組んでいくようです。

では、目標である4,000万人という数字は他国と比べどの程度のものなのか。
例えばリゾートビーチが豊富で、豪華な王宮や古代遺跡などを持ち、近代都市での買い物も楽しめる“微笑みの国”タイ。この観光資源が豊富なアジア第1位のタイですら2017年の外国人訪問者数が3,538万人です。
現時点で4,000万人を超えているのは、マヤやアステカなどの世界遺産と、リゾートビーチで有名な世界第6位のメキシコで5,825万人です。
こうして見比べてみると4,000万人という数字がかなり大きなものだということが分かります。

 

結局のところ、誰が儲けているのか?

こんなに多くの外国人旅行者がいるのであれば、気になるのはどこにお金が落ちているかです。
観光庁の2017年の訪日外国人消費動向調査(http://www.mlit.go.jp/common/001226297.pdf)によると、1人当たり153,921円ある旅行消費額のうち、37.1%の『買物』が最も多く、次に28.2%の『宿泊料金』、20.1%の『飲食費』となっています。
これら3つの指標に当てはまる業界は、少なからず儲けているのではないでしょうか。

前述した指標うち『買物』は中国人旅行者を筆頭としたアジア諸国の影響を受けています。
彼らの主目的は日本製品を購入(ショッピング)する事です。

そして『宿泊料金』と『飲食費』に関しては欧米豪諸国が多くの費用を出しています。
全ての外国人1人当たりの宿泊料金の平均が約43,000円なのに対し、およそ80,000円以上と平均を遥かに超える宿泊費用を出しているのがイギリス・オーストラリア・フランス・ドイツなどの欧米豪諸国です。
『飲食費』もアジア諸国に比べて明らかに高額です。
欧米豪諸国は買物に関しては平均的でそれほど予算を割いてはいませんが、宿泊施設・飲食にはこだわりをもっていることがわかります。

東京オリンピックと大阪万博を控え、今後も外国人旅行者は間違いなく増えていくでしょう。
彼らは買物・宿泊・飲食に対しそれぞれ違った消費を見せていますが、そんな中でも宿泊費の増加率が22.7%と他の指標に比べ大きいです。
近年、首都圏中心にホテル建設が進むのもこうした需要があっての事でしょう。大阪万博開催を機にこの動きは加速するはずです。
加えて、主目的が買い物ではなくイベントですから、これまで買物中心だったアジア諸国の外国人旅行者もきっと宿泊施設にこだわりを見せてくるはずです。

 


 

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