缶バッジの製作代行として販促する際、重要なポイントの一つに、缶バッジを作りたいと思っている顧客に製作のアドバイス、特にデザインのコツを上手く伝えることがあげられます。単純に自社商品を紹介するよりも缶バッジ製作のハードルが下がるため、より「作ってみよう」と思ってもらえることでしょう。
ただ、そのためには、自身が缶バッジのデザインについて理解しなくてはなりません。そこで今回は、缶バッジの製作代行として見込み客へ発信するべき、デザインのコツやポイント、注意点についてお伝えします。販促効果を高めるためにもぜひ、参考にしてください。
缶バッジづくりのハードルを下げるための情報発信をしよう
例えば、イベントグッズやファングッズなどで缶バッジの製作を検討している方に向けて販促する際、単純に低価格だけをウリにしても興味を持ってもらえるとは限りません。特に初めて缶バッジの製作を検討している方にとって、価格以上に不安なのは自分たちでも簡単に製作できるのか、という点でしょう。
缶バッジ製作に関する不安を解消するうえでもっとも重要なのは、適切な情報発信によって缶バッジ製作のハードルを下げることです。デザインもその1つで、ここでは、ビジネスとして缶バッジ製作を進めていこうと思ってもらうために発信すべき情報についてお伝えします。
缶バッジのデザイン作成のコツ
缶バッジのデザイン作成のコツはいくつかありますが、なかでも重要なポイントは次のとおりです。
缶バッジのサイズと形選び
缶バッジには大小さまざまなサイズがあります。直径(横)2cmから8cm程度のものが主要なサイズとして広く知られていますが、中には直径(横)15cmほどのインパクト抜群な特大サイズもあります。
例えば、複数個揃えて1つのデザインになるものにするのであれば、小さめのサイズがおすすめです。逆に遠くから見てもわかりやすいファングッズやイベントグッズとして使うのであれば、大きめのサイズにするなど用途によってサイズを選択しましょう。
また、形も丸型、楕円型、正方形、長方形など種類は多様です。お子さん向けや女性向けなど可愛いイメージのデザインにしたい場合は丸や楕円がいいでしょう。缶バッジとしては変わったデザインにして目立たせたい、個性的なものにしたい場合は、正方形や長方形などがおすすめです。求めるデザインによってサイズや形選びは慎重に行いましょう。
缶バッジのサイズや形状についてより詳しくは、「企業PRでおすすめの缶バッジのサイズや形状の選び方について | ビジネスのための缶バッジ活用術」をご覧ください。
缶バッジデザインのアイデア
ここでは缶バッジデザインの参考になるアイデアをいくつか紹介します。
・1つのデザインで多様な種類の缶バッジを製作する
例えば、同じデザインで大きなものから小さなものまでサイズ違いのものを製作したり、デザインを変えずにバッジの形を丸型と四角型など変えたりするだけでも、完成品のイメージが変わります。コストを抑えつつ、多様な缶バッジを作る方法としておすすめです。
・1つのデザインで色味や背景などの一部を変えた缶バッジを製作する
同じデザインで色味だけ変えるとは、基本となるデザインはそのままに背景を変える、背景の色だけを変えるといったものです。例えば、アイドルのファングッズで、基本デザインはアイドルのロゴで、背景をメンバーカラーに合わせて複数製作します。また、観光地で観光名所のロゴを基本デザインにして、背景を四季ごとの風景にする、複数の観光名所の画像にするといった形でもいいでしょう。また、背景や色味だけでなく、書体を変更したり、デザインを反転させたりするアレンジも有効です。
・個性的な加工やカラーでオリジナリティをつくる
目立たせたい場合やお子様向けやファングッズには、単色カラーだけではなく、メタリックやホログラム加工を施すなど派手なデザインが最適です。逆に大人向けのイベントグッズで、シンプルでおしゃれさを強調したい場合は、モノトーンにするのもいいでしょう。
缶バッジのデザインデータ作成のコツ
缶バッジのデザインをする際には、パソコンの画像作成・編集ツールで作成するのが一般的です。ここでは、ツールを活用してデザインデータを作成する際のコツを紹介します。
・まきしろとガイド線を意識する
まきしろとは、缶バッジの側面から背面に回りこむ部分の名称です。デザインデータを作成する際は、まきしろを意識しないと、デザインの周辺部分が切れたように見えてしまいます。そのため、できあがりのイメージを明確にしたうえでサイズ調整しましょう。
また、フォトショップなどの画像編集ソフトを使う場合、デザインが大きすぎたり小さすぎたりしてしまうケースも珍しくありません。これを防ぐには、ガイド線機能を使用して、デザインが正確なサイズで配置されるようにすることが重要です。
・天地を確認する
文字や画像が上下逆さまになる、横向きになるなどは、缶バッジのデザインデータ作成で起こりがちなミスです。デザインデータ作成時に天地の確認は必ずしましょう。
・解像度やカラーモードの設定
解像度は、デザインが印刷されたときに鮮明でクリアな画像になるようにするために設定するものです。一般的には、印刷物の解像度は300dpi以上に設定するのが目安であり、缶バッジ製作においても同様です。
また、カラーモードをRGBで作成すると、実際に印刷した際には少しくすんだ色合いになる場合があります。そのため、カラーモードはCMYKを推奨するのがベターです。また、顧客の「思っていた色と違った」というミスマッチを減らすため、色校正やテスト印刷をサービスとして導入するのも良いでしょう。
その他、メタリックやホログラムにする場合には、データを濃い色合いにするときれいに印刷されます。こうしたポイントもしっかり顧客に伝えることが大切です。
著作権や肖像権への注意
缶バッジのデザインでもっとも注意しなくてはならないのは、著作権や肖像権への配慮です。缶バッジ製作代行会社としては、顧客に対しデザインの注意点として著作権や肖像権に関する情報もしっかりと伝えるようにしましょう。
著作権とは、作品を創作した人に与えられる権利で、肖像権とは、実在する芸能人や文化人など有名人の容姿を無断で撮影・公開されないように保護する権利です。ちなみに肖像権は法律ではありませんが、民事でのプライバシーの侵害に当たる場合があるため、十分な配慮が必要です。
缶バッジを作成する際は、個人で楽しむ範囲であれば問題ないでしょう。しかし、営利を目的として製作する場合は法律違反になったり、訴えられてしまったりするリスクも少なくありません。
場合によっては多額の賠償金請求されたうえ、ビジネスができなくなってしまう可能性も考えられます。そのため、著作権や肖像権に触れるようなデザインは絶対に避けるべきだと伝えるようにしてください。
グッズ製作における権利関係については、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
缶バッジデザインのコツを積極的に発信して顧客を掴もう
缶バッジは、販促品やイベントのプレゼント、ファングッズなどさまざまな用途で利用できる汎用性の高い商品です。多くの缶バッジは身に付けるもののため、ファッション性の高さが求められる商品でもあります。そこで重要になるのがデザインです。
ただデザインは一朝一夕でできるものではありません。また、販売目的で製作する場合は著作権や肖像権にも注意が必要です。そのため、デザインのコツや注意点について積極的に情報発信をして、顧客の缶バッジ製作をサポートしていきましょう。
缶バッジパーツやマシンの専門店「バッジマンネット」では、商品の販売だけでなくコラムでの情報発信も積極的に行っています。ぜひご参照ください。