オリジナルの缶バッジを制作したのはいいけれど、不良品が多く無駄な材料費がかかってしまったというのでは困りますよね。万が一、検品をすり抜けてお客様のもとに不良品が届いてしまうようなことがあれば、さらに大変な事態になってしまいます。この記事では、缶バッジの不良品にはどのような例があるのか、不良品を減らすためのポイントなどについて解説します。

そもそも缶バッジの品質とは何か?については「『高品質な缶バッジ』はどこが違う?品質や安全性を評価するポイント」で詳しく解説しています。

不良・低品質の缶バッジはハイリスク!

「〇〇社製の商品は質が悪く、価格と見合っていない」といった話を耳にしたことはないでしょうか。こう聞けば、やはり「〇〇社にどこか良くないところがあるからこそ、商品の質が低いのだ」と考えてしまうでしょう。缶バッジも同様で、その品質は販売・頒布する人・団体・企業などの評価につながります。

缶バッジの評価のポイントには、デザインや仕上がり、耐久性、安全性などが挙げられます。もし、このうち1つでも欠けてしまうと、他の要素も信頼されなくなることは珍しくありません。そして1個でも不良が見つかれば、そのロットの缶バッジすべてを出荷停止・再検査するといったことも当然のように行われます。

運よく出荷前に不良品を発見できた場合でも、不良分にかかった稼働は無駄になりますし、素材も再利用できないことがほとんどですから、そのリソースはまるまる損失になってしまいます。

品質を高め、それを維持して不良率を下げることは、缶バッジに携わる人・団体・企業の評価を守ることになります。また、不良品がお客様まで届いてしまった場合のクレーム対応や返品・交換対応などの業務を軽減することにもつながります。もちろん、稼働や素材といったリソースのロスが軽減されることも重要です。

缶バッジの不良品を減らすには?

缶バッジの「不良品」にはどのような例がある?

□ 生産過程の傷・へこみ

生産過程の傷・へこみの原因には、まずマシンへのセットの仕方や操作に不備があり、圧着工程などで意図しないところに触れてしまう、力がかかってしまうといったことが考えられます。また、完成品を誤って落としてしまう、シェルに誤って力をかけてしまう、といった生産後の外的要因でも発生しがちです。

□ シェルとバックパーツが合体しない・つぶれる

パーツがうまく合体せず外れてしまったり、逆に圧着され過ぎてつぶれてしまったりする原因は、主にマシンへのセットの仕方や操作の不備が挙げられます。また、マシンにおいて作業時の力のかかり具合の調節ができていないケースもあります。

□ 印刷不良やレイアウトのミス

デザイン関連の不良は、まずプリンタ出力の際のミスで起こることが考えられます。目立つミスであれば制作前に気づけますが、見逃して制作まで進んでしまうケースもあるでしょう。それに加え、マシンへのセットの仕方や操作の不備などで、バッジとして組み立てられる際にズレなどが発生することもあります。

□ フィルム内への異物混入

デザインがレイアウトされた紙にフィルムを重ねて制作する場合、紙とフィルムの間に粉塵などの異物が入り込むこともあります。粉塵が舞いやすい作業環境で缶バッジを制作している場合や、マシンへのセットの際に粉塵が混じっているのを見逃すなどといった原因で発生します。

□ 生産後の傷・へこみ

緩衝材を使わずに箱に詰める、箱の中で動いてしまうほどスカスカに詰める、逆に変形しかねないほどぎゅうぎゅうに詰め込む、箱ごと投げ渡す・落とすなどといった、保管・輸送の環境・状況などによって、生産後にも完成品に傷・へこみがつくことがあります。無駄な隙間ができないように詰め込むことは品質を保つ上でも重要ですが、どこからが「詰め込み過ぎ」になるのか、商品の形状や素材の特性に合わせた適切な状態を把握しておくことがまず求められます。

□ 焼けやサビなどの劣化

直射日光の当たる場所に長く放置したことによる焼け、湿度が高過ぎる場所に保管したことによるサビなど、保管・輸送の環境・状況などによっておこる劣化もあります。特にサビは、完成品だけでなくパーツの段階から劣化のリスクが考えられます。

サビの防止には防錆剤の使用が効果的ですが、なかでも「CORTEC VpCI-146 防錆紙」は非常に高性能で人体や環境にも優しく、缶バッジの専門家バッジマンネットがおすすめする工業用防錆紙です。サビ問題にお悩みであれば、ぜひご活用ください。

缶バッジの不良品を減らすポイントは?

□ マシンの取り扱いによるエラーを減らす

缶バッジの不良の例を見ていくと、生産過程の傷・へこみ、シェルとバックパーツが合体しない、レイアウトのミス、フィルム内への異物混入など「マシンの取り扱い」が原因で起こる不良が多いことがわかります。まずはマシンの正しい取り扱い方や、作業前後に確認するべきポイントについて作業者全員に周知徹底しましょう。取り扱いに注意することで作業効率が著しく落ちる場合、作業者の交代が多く細かいノウハウの共有が難しい場合などは、マシンそのものの見直しを行い、負担を軽減することも検討しましょう。

また、常にメンテナンスを欠かさず正しく使用していても、100%不良を防ぎ続けられるとは限らないものです。例えば制作を重ねたことで稼働部位が摩耗してしまい、プレス圧が足りなくなってしまうといった状況はいずれ起こりますし、ユーザー側のメンテナンスだけでは解消できません。バッジマンネットへのメンテナンス・修理依頼も定期的に行うと良いでしょう。

□ 品質管理にフォーカスして保管環境・出荷フローを整える

生産後の傷・へこみ、焼けやサビなどの劣化に対しては、まず保管・出荷・輸送の現状を把握して品質に影響する課題を洗い出し、品質を維持することにフォーカスして対策を考えていきましょう。例えば保護用資材の導入や検品フローの見直し、保管環境・出荷フローのルール化などを行うといった対策が挙げられます。出荷時の検品工程も非常に重要ですので、良品と比較したり、あるいは品質基準書と照らし合わせたりしてしっかりと品質を確認しましょう。

こうした出荷梱包作業や検品作業は機械ではなく人の手で行う工程です。そのため、これらの工程にしっかり時間や人材のリソースを割けるような生産体制づくりが重要といえるでしょう。

ヒューマンエラーによる不良を軽減する「自動缶バッジマシン」

缶バッジマシンの中でも手動で圧着作業を行うタイプのマシンは、手軽な一方で作業者の身体的負担が大きく、安定した品質で大量生産すること自体が難しい面もあります。手動缶バッジマシンを使っている、あるいはこれからマシンを導入するという場合には、効率の面からはもちろん、缶バッジの品質を安定させる意味でも、圧着作業などを自動で行える「自動缶バッジマシン」がおすすめです。

自動缶バッジマシンは、圧着作業の力のかけ方などといった要素を作業者に依存しません。これによって「マシンの取り扱い」、つまりヒューマンエラーによっておこる不良が軽減されます。また、完成品の排出もマシンが自動で行うので、誤って落とすなど生産後の外的要因による傷・へこみも回避できます。ꨇ不良率を軽減するのに加えて、時間当たりの生産数も増やせますので、缶バッジ制作にかかる時間が短縮されるメリットも見逃せません。

自動缶バッジマシンで不良率を下げ、低リスクな缶バッジ制作を

ここまで見てきたとおり、缶バッジの不良はマシンの取り扱いによって起こるものが少なくありません。熟練の作業者であっても、長時間缶バッジ制作にかかりきりになることは負担が大きく、ヒューマンエラーを引き起こしかねません。自動缶バッジマシンを導入することで、作業者に依存する不安定な要素が減り、マシンの取り扱いに起因する不良リスクはかなり軽減されるでしょう。さらに、自動化によって缶バッジ制作にかかる時間が短縮されますから、その分のリソースを検品などの自動化できない作業に充てることも可能になります。

バッジマンネットは、厳しい商品管理と迅速な発送に強みをもつ缶バッジマシン・パーツの専門店です。缶バッジマシンは缶バッジの本場アメリカ製で、独自の1年保証や修理履歴などを管理するためのシリアルナンバーを付与し、アフターサポートにも力を入れています。新しく自動缶バッジマシンの導入をご検討される際は、ぜひバッジマシンネットをご検討ください。