最近、コンビニやスーパー、CMなどで企業コラボの商品を見かける機会が増えています。企業とインフルエンサー、あるいは企業同士のコラボなど種類は多様ですが、なぜ、企業コラボが増えているのでしょう。

今回は企業コラボの概要や注目を集める理由、企業コラボを実施するメリットなどを解説したうえで、実際に成功した企業コラボ事例も紹介します。

企業コラボとは

企業コラボとは、複数の企業や組織、人が協力しあって商品やサービスの企画開発・販促などを行うことを指します。コラボレーションマーケティングとも呼ばれ、マーケティング手法の一つです。

飲食業界と衣料業界といった異業種によるコラボレーションもあれば、飲食業界同士のコラボレーションもあり、さまざまな企業コラボが日々、生み出されています。特に最近はアニメやマンガのキャラクター(アニメの制作会社やマンガの出版社)とのコラボが多く、幅広い業界でグッズやキャンペーンに用いられています。

最近になって企業コラボが増加している理由としては、協業する企業同士が多くのメリットを得られるからです。具体的には後述しますが、双方の認知度、話題性、売上向上などが実現する可能性が高まります。また、マーケティングにかかるコストも複数社での負担となるため、1社の負担が軽減するのも企業コラボが増えている理由として考えられます。

企業コラボを実施するメリット

企業コラボを実施するメリットとしては以下のような点が挙げられます。

認知度の向上

協業するそれぞれの企業や商品、サービスのファンにアピールが可能です。その結果、認知度向上が実現し、新規顧客の開拓にもつながります。

話題性の創出

特に異業種によるコラボは、SNSやニュースで取り上げられる可能性が高く、話題性の創出につながるのは双方の企業にとって大きなメリットです。

売上の向上

企業コラボが注目を集める最大の理由は売上向上です。例えば、世界的に人気の高いキャラクターであるポケットモンスター(ポケモン)は、多くの企業とコラボしています。ファミリーマートとのコラボ商品、「ピカチュウのパインフラッペ」の販売数は200万杯を超えています。ほかにも鬼滅の刃とスイーツパラダイスが全国14店舗で開催したコラボカフェでは、2020年1月21日~3月15日の期間限定にもかかわらず来店者数は実に21万人超えを記録しました。

マーケティングコストの削減

コラボでは複数社でマーケティングコストを負担できるため、1社にかかるマーケティングコストの削減が可能です。

新たなアイデアの創出

異業種間でのコラボの場合では自社が属する業界のなかだけでは生まれないような新しいアイデアが生まれる可能性が高まります。

例えば、2021年に京王プラザホテルが50周年を記念して日清カップヌードルとのコラボイベントでは、ホテルのシェフがカップヌードルを使ったアレンジレシピを作成しました。シェフたちのさまざまなアイデアにより数百円のカップヌードルが数千円のカクテルやランチに生まれ変わったことで双方にとって新たな価値が創出されています。

企業コラボを成功させるためのポイント

企業コラボは実施する企業双方に多くのメリットをもたらしますが、実施すれば必ず成功するわけではありません。そこで企業コラボを成功させるための主なポイントについて解説します。

コラボ相手は慎重に選択すること

コラボする企業を選択する際は、双方の強みを高め弱い部分を補いあえる相性のよい企業を選択することが重要です。

例えば、高品質が強みだけれども認知度の低い企業と、高品質なグッズを制作したい企業の場合。金融業界や公共団体など堅いイメージのある企業と、認知度が高く誰からも愛されるキャラクターを扱う企業などの場合が考えられます。

互いの企業文化を理解すること

互いの企業文化を理解していないと、意見がまとまらず時間とコストばかりがかかってしまう可能性があるため、コラボ相手の企業文化を理解し尊重することが重要です。自社の利益優先ではなく、共にメリットを享受しようと考えて動くことで成功の可能性も高まります。

ターゲットを意識したキャンペーンを実施すること

ターゲットとなる顧客の興味関心を理解し、適切なチャネルで適切なキャンペーンを実施することが必要です。例えば、幅広い世代に人気のキャラクターとコラボする際、子ども連れでも参加しやすいような企画内容を意識するとより高い効果が期待できます。

企業コラボの成功事例

実際に企業コラボで成功を収めた事例をいくつか紹介します。

異業種同士の企業コラボ事例

  • 「コカ・コーラ」✕「ユニクロ」
    天然水「い・ろ・は・す」を製造販売しているコカ・コーラ社と、衣料品の製造販売を行っているユニクロが2020年から2021年にかけて行ったキャンペーンでは、飲料水と衣料品といった異業種ではありますが、「エコ」をキーワードにコラボしました。

    すべてのペットボトル製品の素材をサステナブルなものにするという目標を掲げる日本コカ・コーラと、リサイクルペットボトル素材を利用したエコなフリースを製造しているユニクロで、SDG’sへの関心を呼び起こすとともに、双方のエコアピールにつなげました。
  • 「天下一品」✕「le coq sportif」
    ラーメンチェーン店の「天下一品」とデサントが手掛けるアパレルブランド「le coq sportif」によるコラボでは、2021年に50周年を迎えた天下一品と同じく30周年を迎えたle coq sportifブランドのスニーカー、「LCSRシリーズ」との限定コラボスニーカーを販売しました。

    共通点は「鶏」で、天下一品で長く親しまれる、こってりスープの基本である鶏がら、そしてle coq sportifのロゴマークである鶏の繋がりがキーワードとなっています。天下一品のロゴとle coq sportifのロゴが両サイドにデザインされ、ラーメンをイメージした色使いで表現されたスニーカーは、翌2022年に復刻されるほどの人気となりました。
  • 「湖池屋」✕「トヨタ自動車」
    食料品の製造販売を手掛ける湖池屋とトヨタ自動車のスポーツカーブランドであるTOYOTA GAZOO Racingのコラボのきっかけは、湖池屋の公式X(旧twitter)が同社のブランド、「スコーン」のリニューアル商品「SUPERスコーン」を告知する際、間違えて「Supraスコーン」と記載したことにあります。

    「SUPER(スーパー)」ではなく、トヨタ自動車のブランドである「Supra(スープラ)」と表記されていることを、TOYOTA GAZOO Racingの公式Xが指摘したことから両社の交流が始まり、両社にちなんだ賞品をセットにしてプレゼントする“「Supraスコーン」って言っちゃったキャンペーン”を開始。さらに「Supraスコーン 爆速BBQ 3L直列6気筒ターボ ※がっつきバーベキューをSupra風に表現しました。」という商品を製造するまでに発展しました。

キャラクターとのコラボ実例

  • 「丸紅」✕「ONE PIECE」
    大手総合商社である丸紅と世界的に人気のキャラクター「ONE PIECE」が2022年から2023年にかけてコラボしました。

    丸紅の「Global crossvalue platform」をONE PIECEの世界観を重ね、「できないことは、みんなでやろう」をスローガンに広告展開して、広く認知を得る活動につなげています。
  • 「GENDA SEGA Entertainment」と「ZONeエナジー公式キャラクター」
    主にアミューズメント施設の運営を手掛けるGENDA SEGA Entertainmentと「アンリミテッドパフォーマンスエナジーZONe」の公式キャラクターのコラボが2021年11月に行われました。

    クレーンゲーム専用景品の展開と景品化を記念したキャンペーンで、セガの対象店舗でクレーンゲーム専用景品としてZONe公式キャラクター缶バッジを設置するほか、公式Xにてフォロー&リツイートで全9種類の缶バッジが当たるキャンペーンを開催しました。

ライセンスビジネスについては、以下の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

企業コラボには缶バッジの活用がおすすめ

企業コラボとは、2社以上の企業や組織、人が協力しあって商品やサービスの企画開発・販促などを行うコラボレーションマーケティングの一つです。複数企業それぞれの強みを生かし、弱みを補う形でコラボレーションを実施することで、話題性、認知、売上向上など多くのメリットを得られます。

ただ、自社とは異なる文化を持つ企業とのコラボレーションはお互いを尊重しあい、理解を進めたうえで実施しないとマイナス効果につながるリスクがあります。コストだけがかかってコラボ商品が決まらないまま決裂してしまう可能性も少なくありません。

そこで、おすすめなのは缶バッジです。デザインの自由度が高いうえ、キーホルダーにしたり形も丸だけではなく四角や三角にしたりなど、バリエーションも比較的容易に増やせるため、コラボレーショングッズとしても利用しやすいでしょう。

バッジマンネットでは高品質な缶バッジパーツや缶バッジマシンを豊富に扱っており、コラボレーショングッズの制作にも最適なアイテムの提供が可能です。企業コラボを検討されている際はぜひお気軽にご相談ください。