バーチャルで遊ぶことが増えた時代では、子どもたちのリアルな体験の機会が少なくなっています。キッズイベント担当者のなかには、手軽に何かを作って楽しめるイベント企画を検討している人もいるのではないでしょうか。
さまざまな体験を通じて知識と学びを得るワークショップは、子ども向けイベントにもぴったりです。今回は、子ども向けのワークショップについて、企画の基本とポイント、子どもたちが楽しめる魅力的なイベントの事例を紹介します。
ワークショップの企画の基本
初めにワークショップを企画するための、基本知識を解説します。
ワークショップとは
ワークショップとは、参加者が主体となる体験型イベントのことです。
単に「見る」「聞く」というだけの立場ではなく、進行に「参加」することで、参加者同士が意思の疎通を行い、課題の解決に向けて協力をしあうといった体験が得られます。
ワークショップの特徴としては、以下のようなものがあげられます。
・行動をともなう参加体験
講義やセミナーは参加者が受動的な立場になりがちですが、ワークショップでは自主的に行動する場面が多くなります。そのため、身体や頭を使った体験を通じて、より印象深く、多様な経験値が得られます。
・意識の醸成
ワークショップでは、他者とふれあう、協力しあうといったケースが多く見られます。周囲との協働を通じて一体感を得られ、自分がイベントの一部であるという当事者意識をもつことができます。
・満足感や達成感が大きい
話を聞くだけではなく、目標に向かって自分で行動することにより、終了後には大きな達成感が得られます。作品づくりをするケースでは、実際に制作物を手にできるため満足度が高くなります。
・考え方やノウハウが身につく
課題の解決やモノづくりを通じて、それまで経験のない考え方やノウハウを身につけられます。
ワークショップを企画する流れ
ワークショップを企画する際の一般的な流れは、以下の通りです。
・対象と目的を設定する
参加者の年齢層や属性、開催の目的を設定します。ワークショップの目的の例としては、教育・学習、お楽しみ、認知拡大、商品やサービスの訴求などがあります。
・テーマを決めて最終的な狙いを明確化する
参加者にどうなってほしいのか、ワークショップを通じて何が得られるのか、具体的なゴールを明確にします。ゴールを達成するために、適していると思われるテーマを選びます。そして、テーマに合わせて参加者に実施してもらう内容を決めます。
・上記に合わせた場所を選ぶ
参加人数、行動で必要となるスペース、集合のしやすさ(交通機関・駐車場など)、開催のしやすさ(備品の搬入、屋外を使う場合には雨天の際の対応など)を考慮しながら、実施可能な場所を選びます。
・参加条件を決める
参加費用や親子、ペア、グループなど、参加者に提示する条件を設定します。
・開催日時を決める
参加対象者の状況を考慮しながら開催日時を決定します。例えば、親子参加の場合であれば、年末年始、長期休み、連休などが適当であると考えられます。時間帯は帰宅時間なども含め、子ども連れであることを考慮します。さらに時間に合わせて、タイムテーブルを作成します。
・開催に向けて準備をする
実施に向けてレンタルなどの各種手続き、材料の購入、会場設営、告知・受付体制などを準備します。
子ども向けワークショップを企画するポイント
子ども向けに特化したワークショップを企画する際には、一般向けとは異なるポイントがあります。
・子どもが楽しめる、やりたがるイベントにする
子どもはじっとして、話を聞くのが得意ではありません。好奇心が強く、自分でもやってみたがる傾向があります。モノ作り系の企画は子ども受けが良く、楽しみながら作品づくりをしてもらえます。
開催する側としても制作物が残るため、イベント後に思い出してもらえる効果が期待できます。子どもの関心を高めるためには、対象となる年代のトレンドに注目し、喜んで作業できるテーマを選ぶことが大切です。
・子どもが主体となれる内容を考える
親や年長者が手出しをしなくても、子ども自身で解決できる内容がベストです。
お互いに相談しながら進められる内容であれば、子ども同士の距離が近づけられます。また、周囲からの余分なアドバイスがない方が、子どもは没頭できるでしょう。
・親にとっても良い環境を整える
子どもがメインの企画とはいっても、参加の決定権は親にあります。参加料金や立地、会場の設備など親にとっても参加に心が動くような要素が必要です。
日頃、忙しくてなかなか子どもと向き合う時間がもてないという家庭も多いため、親子で一緒に楽しめるイベント内容も効果的です。
・集中できる環境を準備する
子どもは大人と比べると、音や周囲環境などに気を取られて、注意が散漫な傾向があります。集中力を持続させるための環境整備と、飽きずに楽しめるテンポの良い運営をする必要があります。
・思わぬケガや事故に配慮する
子どもは元気の塊です。そのため運営者の予測を超えた事態も起こりかねません。大人だけではまず起こらないような事故の発生まで想定し、安全を徹底した会場設営を行います。
子どもだけで会場を出ない、機材に触れないなど、開始時にルールを伝えて保護者に対して見守りをお願いします。
・子どもの本音が聞けるフィードバック方法の工夫
今後の開催の参考となる、生の声を集める工夫も大切です。ワークショップのメニューに感想タイムを入れると、他の子どもの意見を聞いて触発され、本音を聞くチャンスが生まれます。
アンケートとお土産を交換するのも、情報を集める良い方法です。ただし、アンケートの設問は子どもが直感的に答えやすい内容とし、親の誘導を回避するよう意識します。
子ども向けワークショップのアイデア例
ここでは、人気の子ども向けワークショップを紹介します。
・戦国ワークショップ
遺構などのある土地柄を活かし、地域活性化、歴史の学びを目的として子ども向けのワークショップを開催した事例があります。
モノづくりやチャンバラ合戦などで人気を集める、参加型のワークショップです。具体的な内容としては、刀づくり、流鏑馬(やぶさめ)、射的、提灯づくりなど、戦国時代の文化とからめたイベントです。
・防災ヒーロー入団試験
とっさの場合の行動など、防災時に役立つ知識が身につけられる災害時に活躍する「防災ヒーロー」を目指すプログラムです。親子で楽しい種目をこなしながら、自然に災害時に取るべき行動を理解できます。
「災害発生前」「災害発生直後」「災害発生1週間後」と段階を分け、必要な対策をステージごとに体験できる工夫がされています。
・デコするワークショップ
小さな子どもから無理なく参加できるモノづくりイベントです。放っておけば固まる粘土を活用し、自分だけのキーホルダーを製作します。
未就園児から小学生まで幅広い年齢を対象としています。想像性を広げ、手先を細かく使いながら夢のある作品ができあがります。
・親子で缶バッジづくり
親子で好きな素材を持ち寄り、缶バッジづくりをするイベントです。キャラクターやヒーローのイラスト、ペットの写真など、好みの缶バッジができるため、子どもたちに大人気です。
また、わが子の缶バッジは親心をくすぐり、親世代にも大好評を得ています。
・お寺で自由な心を養う
坐禅会とオリジナル缶バッジづくりを体験するイベントです。心を落ち着かせる方法を学び、お土産にもなる缶バッジを自らの手で制作する機会を得られます。
缶バッジづくりでは、子どもの発見やユニークな発想を妨げないことを基本に、自由に作業してもらいます。缶バッジマシンも、子どもたちが自分たちで操作できるよう、安全性の高いマシンを使う配慮がされています。
くわしくは以下の記事をご覧ください。
オリジナル缶バッジ作り!ワークショップ開催でもっと親しまれるお寺に。
楽しみながら知識と体験を得られるワークショップ
じっとしているのが苦手な子どもたちにとって、自分の手や身体を使いながら新しいことを学べる機会はとても大きな楽しみです。体験を通じた学びや知識は、いつまでも思い出となって心に残ります。
子ども向けのワークショップ開催では、大人の目線とは少し違った角度で考える必要があります。興味に目を輝かせる子どもたちのために、魅力的で楽しさあふれるワークショップを企画していきましょう。
事例でもあったように缶バッジづくりは、子ども向けのワークショップにぴったりなテーマです。一方で子どもがケガしないよう、安全性に十分に配慮しなければなりません。バッジマンネットでは、子どもの缶バッジ体験に最適な安全性の高い缶バッジパーツや缶バッジマシンをご用意しております。子ども向けワークショップの企画に、ぜひご活用ください。