誰しもが人生の中で必ず見たり触れたりしたことがあるであろう缶バッジ。
実はここ6〜7年で急速に市場が大きくなり、新規参入が相次ぐなどグッズビジネスの分野では注目の存在なのです。
とは言っても缶バッジでビジネスが成り立つという事実はまだまだ世間では認知されておらず、「缶バッジでビジネス!?」という反応が大半でしょう。
そこで今回は弊社の営業担当である山下が弊社の紹介と合わせて、缶バッジビジネスの今後についてお話させていただければと思います。
缶バッジでビジネスが成り立つ理由
缶バッジの活用対象は、コンサートグッズやキャラクターグッズというありふれたものから、中には企業内での人事マネジメントや商品企画段階で社内利用されるケースなど、使用用途は多岐に渡ります。
特にここ6〜7年における缶バッジ市場の急速な拡大は目を見張るものがあり、正直に申し上げると、缶バッジ業者である我々ですらその規模が読みきれないほど急速に拡大しているというのが現状です。
缶バッジ市場がここまで急速に成長した要因はいくつかありますが一つは社会でアニメなどのオタク文化が受け入れられたことにあると思います。
これまで「オタク」という表現にはネガティブな印象があり、それを公言することに対して恥ずかしいイメージがあったものの、今となっては「◯◯オタク」を自称することに違和感がなくなりましたよね。
そうした時代の流れに加えて、ライブビジネスの拡大も追い風となっています。
CDが売れないこの時代に、アーティストたちがライブを頻繁に開催するようになり、それに伴いライブ会場で販売されるグッズの需要が拡大しました。
今ではライブビジネスにおける収益の8割を物販が占め、タオルやTシャツなどと一緒にアーティスト名やキャラクターをデザインした缶バッジの需要も急速に拡大しているのです。
また、近年は「観賞用」と「普段使い用」とで同じ商品を2つ購入するファンの方も少なくありません。
株式会社ベック(Beck Co.)の創業秘話
そもそも株式会社ベックは、弊社の代表取締役ベック・ジョナサンが約20年前に趣味で作っていた缶バッジがすべての始まりでした。
母国カナダでの缶バッジビジネスにインスピレーションを受けた弊社代表は、来日後、缶バッジなどプロモーショングッズの製造を手がける企業を知人と共に立ち上げ、缶バッジの仕事を請け負っていたようです。
次第に缶バッジづくりの規模が大きくなり、「缶バッジはビジネスとして成り立つ」と感じたと言います。
ところが当時は、缶バッジが非常に高価で、缶バッジ制作会社もほとんどなく、さらに運用ノウハウもまだまだ確立していない時代でした。
そうした中、日本で手ごろな価格の缶バッジ作成機器を提供することで、誰もが当たり前に缶バッジを作ることができる環境づくりを目的に2009年に株式会社ベック(Beck Co.)を創業したのです。
ベックが缶バッジを製造しないワケ「缶バッジ業界のYouTube的存在を目指す」
創業から11年を迎え、お陰様で今では「缶バッジ ビジネス」「缶バッジ マーケティング」と検索していただくと、弊社がトップに表示されるようになり、「缶バッジと言えばベック」と認知していただけるようになりました。
しかし実は弊社は缶バッジの受託製造を一切行っていません。弊社が行っているのは「パーツの販売」と「缶バッジの運用ノウハウの提供」のみなのです。
我々の使命は缶バッジを大量に販売することではなく、「缶バッジの作り手」を増やすこと。弊社が目指しているのは缶バッジ業界のハブ的存在、すなわち缶バッジ業界における「プラットフォーム」のような存在を目指しています。
例えば、YouTubeやInstagramを想像すると分かりやすいかもしれません。YouTubeは世界最大手の動画プラットフォームですが動画コンテンツは作りませんし、Instagramも写真コンテンツは作りませんよね。
その代わりYouTubeが登場したことによって動画クリエイターの数が増え、Instagramによってあらゆる人がカメラマンになりました。プラットフォームの役割は「作り手」を増やし、彼らが活躍できる場所や環境を整備することによって市場そのものを大きくすることなのです。
弊社の最優先課題はビジネスシーンにおける缶バッジの認知度向上。その意味において、缶バッジの受託製造は一切行わない方針をとっています。
実際、まだまだ世間では「缶バッジを自分で作ることができる」と知っている人は多くありませんし、ましてや「缶バッジをビジネスで活用する」という発想を持つ人はもっと少ないことでしょう。
だからこそ、缶バッジマシンやパーツの提供はもちろんのこと、実際に自分で作った缶バッジを「どのように運用すればビジネスシーンでその効果を最大化できるのか」をお伝えする必要があると思っています。
缶バッジのプラットフォームとしてハードとソフトの両方を提供する
弊社では缶バッジの運用ノウハウに関するコンサルティングも行っています。
よく缶バッジは「その場が盛り上がれば良い」という視点で選ばれがちですが、重要なのは「配られた缶バッジがその後どうなるか」という視点。
確かに、イベント会場で缶バッジを制作してその場でプレゼントすれば来場者の方に非常に喜んでいただけるものの、本来の目的として缶バッジは広告塔として残り続けることが最大の強みなのです。
例えば、缶バッジを服やカバンにつけると、それを見た人から「それ何?」と声をかけられ会話のキッカケになるなど、缶バッジによって人がメディアの役割を果たすようになりますよね。
さらに最近はマグネット式の缶バッジが広がりを見せています。こうした缶バッジはお子さんが家に持ち帰ったあと、自宅の冷蔵庫に貼られるケースが多いです。そしてその瞬間から、冷蔵庫がメディアとして家庭のお母さんにメッセージを訴求するものになる。
缶バッジの最初の貰い手はお子さんであるケースが大半ですが、家に持ち帰ったあと目にするのはご家族の方です。そんなふうに「作ったあとに誰が目にするのか?」という点まで加味して戦略を練ることで缶バッジの効果を最大化することができるのです。
こうしたノウハウの提供は直接お客様にお伝えすることもあれば、弊社のウェブマガジン「ビジネスのための缶バッジ活用術」から発信することもあります。
マーケティングや広報の領域はもちろんのこと、社内マネジメントの一環として缶バッジを活用するなど、弊社のお客様の中には興味深い使い方を実践されている方が非常に多くいらっしゃいます。
こうした事例の発信は、既存のお客様に対する運用ノウハウの提供が目的としているのですが、同時にマーケティングや社内マネジメントで困った方がたまたま弊社のページを覗いて頂ければ、将来的にその方が缶バッジを使うことになるかもしれない。
そうすることによって、弊社だけでなく缶バッジ業界全体のパイを大きくすることにも繋がると考えているのです。
※後編に続く