観光客や移住者誘致による地域活性化やブランディングに向け、地域の魅力を積極的にアピールしていきたいと考えている自治体や企業は多いでしょう。そこで重要になるのが地域PRです。
今回は地域PRを実施する目的と具体的な方法、さらには成功させるポイントを事例で解説します。
地域PRの目的
地域PRとは、シティプロモーションとも呼ばれるもので、主にその地域の自治体や民間企業が行うものです。具体的な目的としては次のようなものが挙げられます。
地域ブランディング
地域の魅力を内外に向け、テレビや雑誌、SNSなどのメディアを通じ発信していくことで地域のブランディングを向上させるのが目的です。
観光客誘致による地域経済の活性化
地域PRにより地域の魅力を知ってもらうことで観光客を誘致し、宿泊、飲食、エンターテインメント施設などを利用してもらい地域経済の活性化を実現させます。
移住者や定住者の増加
地域PRにより、観光だけではなく移住者や定住者を増やし、継続的な地域活性化を目指すのも地域PRの大きな目的です。
具体的な地域PR方法の種類
目的によっても異なりますが、地域PRにはどのような方法があるのか。ここでは主な種類について解説します。
動画
YouTubeやTikTokのような動画共有SNSを中心に動画によってPRする方法です。内容は観光地や特産品を自治体の人や、地域のキャラクター、観光大使をしているような有名人に紹介してもらうもの、ドラマ仕立てで紹介するもの、プロモーションビデオ風に紹介するもの、ドラマやアニメに登場した場所を紹介(聖地巡礼)など目的に応じて多様化しています。
聖地巡礼については、以下の記事にて詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
「聖地巡礼とは? ビジネスとして成功につなげるためのお役立ち情報を紹介」(同月納品記事)
「聖地巡礼の経済効果とは? その影響力とビジネスへの展望を解説」(同月納品記事)
地域物産展
百貨店やスーパー、イベント施設などで地域の特産品を紹介するイベントを開催するものです。北海道物産展など、単独の地域のみの物産展として行われる場合もあれば、九州物産展や東北物産展のように、複数の地域を含む大きなくくりで行われる場合もあります。特に、北海道物産展や九州物産展などは、集客力が高い催し物として知られています。
SNS
X(旧Twitter)、Facebook。InstagramなどのSNSを使い動画や画像、テキストで地域のPRをする方法です。地域外のユーザーとコミュニケーションを取りつつ、物産展などに比べ長期的かつ低コストで行えるため、アイデアさえあれば小さな市町村でも認知向上につながる可能性があります。
ふるさと納税
地域の特産品や宿泊施設の利用権のほか、1日周遊券、バスツアーの参加権など地域の魅力が伝わる商品、サービスを返礼品としてお金を寄付してもらう制度です。財政面で地域を応援してもらうことが主目的ではありますが、特産品や名所PRとしても活用できます。
メディア広告
テレビやラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアを使い地域のPRを行う方法です。広告枠を購入したり、地域と商品、地域同士などのタイアップ記事を作成したりするなどの方法があります。
地域PRを成功させるためのポイント
さまざまな効果が期待できる地域PRですが、成功させるにはいくつかのポイントがあります。ここでは主なポイントを解説します。
地域PRの目的を明確にする
観光誘致なのか、特産品の販売なのか、移住者・定住者誘致なのか、目的によりPRの方法や使用するツール・メディアも変わってきます。そのため、まず行うべきは地域PRの目的の明確化です。
海外からの誘致も意識したPRを行う
コロナ禍を経て、海外からの観光客も増えているため海外を意識したPRも欠かせません。例えば動画を使う場合は英語の字幕を入れる、SNSは海外向け用のアカウントも別途取得する、地域PR用のWebサイトを多言語化するなどの対応が考えられます。
継続的に情報発信する
地域PRは基本的に単発で行ってすぐに結果が出るものではありません。継続的に情報発信をして定期的に効果測定を行いつつ、長期的な視点でPDCAを回していく形で続けていくことが重要です。
自治体と民間企業が協力しながら実践する
地域PRを継続していくには、自治体のみ民間企業のみなど単独ではなく、資金面やアイデア面などで双方が協力・連携を取って進めることで成果を上げやすくなります。
地域PRの成功事例
実際に地域PRを実施して成功した事例を3つ紹介します。
大分県の動画「おんせん県おおいた公式」のPR事例
2015年に大分県は、温泉PRとして温泉でアーティスティックスイミング(旧:シンクロナイズドスイミング)の動画をYouTubeに公開しました。動画は2023年11月現在において259万回再生され、関連動画も含めると約289万回再生されています。また、テレビのバラエティー番組でパロディがつくられたり、海外のニュースで紹介されたりするなど波及効果も高く、国内はもとより海外からの認知度獲得につながりました。
アニメのモデルとなった地域の聖地巡礼ツアーのPR事例
アニメ、「スラムダンク」に登場する「山王工業高校」のモデルとなった高校があるといわれる秋田県能代市で行われた事例です。
スラムダンクの映画公開に合わせ、あきた白神ツーリズムが能代市と由利本荘市の両市をつなぐ聖地巡礼マップ(5か国語版)と、コラボグッズ(バスケットボールがデザインされた、ごてんまりストラップやピアス、ブローチなど)を作成しPRしました。
スラムダンクで聖地といえば、アニメ初期オープニング映像でも使われた鎌倉高校駅前が有名です。しかし、遠く秋田にも聖地巡礼として訪問するファンは多く、その期待に応えるツアーとなっています。
大垣市のオリジナルアニメによる地域PR事例
岐阜県大垣市ではオリジナルのアニメ制作しYouTubeで公開しています。2018年以降、数本のオリジナルアニメを公開し40万回以上の再生数を誇ります。
アニメは、大垣まつりや大垣城、あけちの故郷など行事や地域の魅力を伝えるもののほか、現在と戦国時代をリンクさせた歴史もの、50年後の大垣を描いたSF風なものなどがあります。
現在の姿だけを伝えるのではなく、過去や未来をも描くことで視聴者により興味を沸かせるつくりになっているため、地域PR動画として高い効果を生んでいるといえるでしょう。
地域PRに欠かせないグッズは缶バッジがおすすめ
地域PRとは、地域の活性化や観光客誘致、移住者・定住者の増加などを目指し、動画やイベント、メディア広告などを使ってアピールする手法を指すものです。地域外にはなかなか伝わりにくい魅力をさまざまな方法を使ってPRすることで、認知度を向上させブランディングにつなげています。
地域PRを成功させるポイントは、目的の明確化、情報の多言語化、継続的な情報発信、自治体と民間企業の共同の4つです。また、同時に形に残るものとしてグッズを制作することは、一過性ではなく、常に思い出してもらえるようにする仕掛けづくりとしても欠かせません。そこでおすすめなのが缶バッジです。
地域のキャラクターやアニメ、マンガの登場人物、観光名所、特産品などどのようなものでも缶バッジであれば、簡単にグッズにできます。また、それほど大きな投資も必要ないため低コストで製作可能です。
缶バッジマシン、パーツの専門店であるバッジマンネットは豊富な在庫を持ち素早い発送も可能です。地域PRグッズの製作にも迅速に対応可能な缶バッジキットも提供していますので、地域PRを検討されている際はぜひお気軽にご相談ください。