街角やイベントスポットでよく見かけるガチャガチャは、懐かしさがありながらも独自の進化を遂げています。今や子どもから大人まで楽しめるものであり、サブカルチャー人気の一翼を担うものとなりました。そのため、ビジネスとしても注目している企業は多いのではないでしょうか。
本記事はガチャガチャビジネスについて、概要から人気のグッズまで広く紹介します。
ガチャガチャの今
初めにガチャガチャの基本的知識と現状を紹介します。
ガチャガチャとは?
ガチャガチャとは、小さなカプセルに入ったおもちゃを取り出すことができる自動販売機のことです。ガチャガチャのほかにもカプセルトイ、カプセル玩具、ガチャポン、ガシャポンなどさまざまな呼び方があります。
ガチャガチャは一定の金額を入れることで、中に入っているおもちゃがランダムに出てくる仕組みとなっており、偶発性の面白さで根強い人気があります。
一般的には、子どもたちが楽しむおもちゃやキャラクターグッズなどが入っていることが多いですが、最近では大人のコレクターアイテムとしても高い人気があります。
日本文化の一つとして、店舗やイベントで展開されるグッズ販売の一環としても利用されていますが、起源は1907年にアメリカの会社で製造された「ガムボールマシン」です。日本には1965年に初上陸し、当時は1回10円で買える小さなおもちゃが子どもに大人気となりました。
ガチャガチャの市場規模と現状
現在のガチャガチャの市場は、非常に大きなものです。
日本カプセルトイ協会がまとめた「2022年度カプセルトイ市場動向調査結果報告」によると、製造元出荷ベースでの市場規模は約720億円となっています。背景には近年カプセルトイブームが続いており、大型専門店の出店が相次いでいることがあげられます。
ガチャガチャの単価は基本的には高いものではなく、一般的な商品価格帯は300~400円です。ただ大人の需要が伸びるにしたがって、さらに高額な商品も発売され、客単価がアップしている傾向が見られます。
各世代に人気が広がったことから、アミューズメント産業、プライズゲームメーカーやフィギュアメーカーなど、おもちゃメーカー以外からの参入が増加し、内容のバリエーションも増えています。
ガチャガチャ人気の歴史から、現在、第4次ブームが到来していると言われています。
なぜガチャガチャは人気なのか?
ガチャガチャの市場が右肩上がりの理由として、コロナ禍に専門店が増加したことがあります。
新型コロナ感染症による大型商業施設の空き区画の増加に伴い、施設オーナーからカプセルトイベンダーへの出店依頼が増加しました。人との接触が必要とされず、一定の売上が見込めるガチャガチャは、施設側にとっても都合の良い事業形態です。ガチャガチャがあるだけで閑散としたスペースがカラフルに彩られ、客を誘引できる場となるわけです。
従来、子ども向けとされていた商品ラインナップがより大人向けとなり、メインターゲットは30~40代へシフトしてきました。現在では、大人でも6割の人がガチャガチャをした経験があります。
また、日本のサブカルチャーを体現するものとしても認知が広がり、インバウンド需要を受けて外国人観光客からの人気も上昇しています。インバウンド向けとして成田空港には約340種のガチャガチャが設置され、あまった小銭への対応策としても好評です。
おみやげベンダーとしての有用性も、大きなポイントです。動物園、水族館、テーマパーク、温泉街など、人の集まるあらゆる場所でガチャガチャを見ることができます。価格が手頃なうえ、小型で持ち帰りやすく、多種多様な内容なことや、どれが当たるかわからないというときめきが魅力です。観光地の名物や象徴的な景観のミニチュアを入れたご当地ガチャが、ユニークなおみやげとして人気を博しています。
もちろん子ども向けとしての需要も続いています。手頃な価格で次々と中身が変わり、飽きがこないため、ガチャガチャに立ち寄るのが楽しくなります。子どもにとっては、買うときの楽しみと持ち帰ってからの遊びが両立し、親にとっては、子どもへの手軽なおみやげとしても使えます。
人気のガチャガチャグッズ
ガチャガチャで人気のアイテムとしては以下のようなものがあります。
- 生き物フィギュア:
動物や昆虫などの生き物をモチーフにしたミニフィギュアです。実物に近いディテールが再現されており、コレクションアイテムとして楽しめます。 - 食品サンプル:
日本の飲食店でよく見かける、食べ物のミニ模型です。リアルな見た目と質感が再現されており、マグネット付きのものはキッチンなどのインテリアアイテムとしても人気です。 - ミニチュア:
実物を細部まで再現したアイテムです。例えば、小さな家具や食器、文房具、日用品などがあります。 - キャラクターグッズ:
アニメや漫画のキャラクターをモチーフにしたグッズです。例えば、ポスターやフィギュア、Tシャツ、タオルなどがあります。 - キーホルダー:
鍵をつけられる小さなアイテムで、キャラクターグッズや生き物フィギュアなどが多く見られます。 - 消しゴム:
キャラクターをかたどったものや、アニメのイラストなどがデザインされているものもあります。 - ピンズ:
バッグや衣服などにつけられる小さなピンバッジです。キャラクターグッズや音楽アーティストのロゴなどがデザインされているものがあります。 - ストラップ:
携帯電話やバッグなどにつけられる、キャラクターグッズや生き物フィギュアなどがついた小さなアイテムです。 - 巾着袋:
小さなアイテムを収納するのに便利な、布で作られた袋です。キャラクターが印刷されたお弁当入れなどがあります。 - 缶バッジ:
表面に印刷された美しいデザインに高い人気があります。キャラクターやアニメ、音楽アーティストのロゴなどがデザインされたものが多く見られます。
ガチャガチャ向けのグッズをつくるには
ガチャガチャに適したグッズをつくるポイントを解説します。
・小型で丈夫なデザインにする
グッズはカプセルに入れて自動販売機で販売されるため、小型で丈夫なデザインにすることが重要です。幅広い年齢層が対象となる玩具であることを前提とし、強度や耐久性にも配慮する必要があります。
・目立つカラーやデザインにする
ガチャガチャは複数の自動販売機を並べることが多いため、カラフルで目を引くデザインやキャラクターものが有利です。小さくてもカラーやデザインにこだわったアイテムであることが大切です。
・ランダム性を考慮する
ガチャガチャはランダムに排出されるため、同じデザインのグッズでも、色や柄を変えるなどしてバリエーションを増やすことが求められます。コンプリート意欲を高められるようにシリーズ展開、バリエーション数を適切に設定することが大切です。
・品質とコストのバランスを考える
購入者の満足感を高めるためにグッズの品質はとても重要ですが、一方でコストとのバランスを考える必要があります。大量生産、効率化によってコストを抑えながら、収益を増やすことが可能です。
・的確にターゲットを設定する
大人向けやキャラクターものは、子ども向けよりも単価を高く設定できます。一方、子ども向けのものは子ども連れで家族が買い物をする場所に幅広く置けますが、単価は低めの設定が基本になります。商品の内容、性質に合わせてターゲットを適切に設定すれば、設置場所や展開の仕方などの方向性が定めやすくなります。
今後も成長が期待できるガチャガチャ市場
ガチャガチャは幅広い年代や、インバウンド需要にも対応しており、今後もさらなる市場の拡大が見込まれます。推し活に見られるサブカルチャー人気も後押しとなり、ビジネスチャンスが期待できる分野です。多種多様なグッズがあることで、小規模事業者でも参入しやすいという魅力もあります。
ガチャガチャでは定番アイテムのひとつである缶バッジを製作するのであれば、コスト負担を抑えられる内製がおすすめです。ガチャガチャビジネスへの参入を検討される際には、簡単操作で高品質な商品製作が可能な高性能缶バッジマシンや、素材パーツを各種取り揃えている「バッジマンネット」をぜひご活用ください。