キッズイベントの主催者としては、「どんな企画であれば子どもに喜んでもらえるのか」に悩み、テーマやネタ探しに追われることもあるでしょう。心にいつまでも残り、体験が子どもにとって糧となるのは、やはり身体を駆使したモノづくりイベントです。
今回は、子どもが喜ぶイベントについて、企画の基本からおさえるべきポイント、モノづくりイベントがとくにおすすめである理由について解説します。
イベント企画の基本
イベントを企画する際には、基本として以下の点に留意する必要があります。
イベントの目的を明確にする
イベント企画はその目的により、方向性や内容が大きく変わります。例えば、企業が実施するイベントの目的には、ブランドや企業の認知拡大、売上UP、情報収集のためのアンケートなどがあります。
商業的な内容や商品・サービスの認知拡大、教育的な内容や子育て支援など、目的によってどこを着地点とするかが決まります。
ターゲットを明確にする
上記の目的に合わせ、年齢、属性などイベントの対象者を設定します。子ども向けイベントの場合でも、母親と乳児、幼児、小学生、中学生、未成年全般など範囲はさまざまとなるため、単に「子ども」とするのではなく詳細なターゲット設定をする必要があります。
ターゲットに合わせたゴールを設定する
イベントを通じて参加者に何を得てもらいたいのか、何を感じてほしいのかを明確にすることで、イベントに参加する価値について、より訴求効果の高い提案ができます。
集客のうえでは、開催する側は参加者に与えるベネフィットを十分に理解しておく必要があります。
季節感や時流に合わせたテーマを採用する
社会のトレンド、ターゲット層に特化したトレンドなどの情報を集めることも大切です。
参加者にとって魅力が感じられるイベントでなければ集客ができず、また満足度も低いものになります。興味や関心の高いテーマを設定すれば集客がしやすくなり、ターゲットを絞った集客も可能となるため、開催する側の最終的な目的も達しやすくなります。
実施における現実的な観点をもつ
集客のしやすさ、運営のしやすさなど、開催面からの視点をもつことは、実施の可否に関わる重要なポイントです。どれほど良いアイデアでも、現実的でなければ意味がありません。アイデア倒れに終わらないためにも、実現性があるのか、コストを含めて可能性を探ります。
ターゲット・ゴールとのマッチングを常に意識する
イベント企画を進めているうちに、あれもこれもと詰め込みすぎて、設定したゴールから外れるということも考えられます。ターゲットやゴール設定から、軸がぶれないことが重要です。
規模の大きな企画ほど、軌道修正を加えるうちに本来の意図から外れやすいため、イベントに関わる人員すべてが目的とゴールを共有しながら進めることが大切です。
子ども向けイベント企画でおさえるべきポイント
子ども向けイベントの企画でおさえるべきポイントとしては、以下のようなものがあげられます。
子どもが楽しめる、やりたがる内容を検討する
子どもはただ聞く、見るよりも、さわりたい、試したい気持ちがあります。体験型イベントなどの人気が高いのはそのためです。
大人であれば新たな知識が得られただけでも満足できる場合がありますが、子ども向けイベントの企画では、大人本位ではなく、子ども目線を持つことが大切です。
体験を通じて学びを得るワークショップの企画については 「子ども向けワークショップの企画ポイントと魅力あふれる事例を紹介」 をご覧ください。
参加決定権を持つ親の立場も考える
子どもが喜びそうな企画であっても、参加を決めるのは親です。集客を容易にするためには、親にとっても良い環境を整える必要があります。
参加料金や交通機関の便、駐車場などの立地、子ども連れで休憩ができる、トイレが使いやすいなど会場の設備といった面にも配慮します。
テーマとしては仕事体験やスポーツなど、教育や成長につながる内容は親の興味も高いと考えられます。多忙な生活のなかで日常の接点が失われがちな現代の家庭では、親子で一緒に楽しめるイベント内容も効果的と言えるでしょう。
安全性が十分に確保できる
子ども向けイベントでは、通常よりもさらに安全性を重視しなければなりません。周囲環境をチェックして、少しでも危険な可能性を排除しておきます。
事故のない運営を行うことはイベントを企画するうえで大前提であり、そのうえで年齢に合わせた内容を入念に検討するべきでしょう。
そのうえで子どもだけでできること、大人の監督が必要なことを分類し、親だけでは監督に不安がある場合には、必要要員の配置をするようにします。
運営ルールの提示
運営のルールを親に対しての注意点だけではなく、子どもたちにも「おやくそく」として守ってもらうよう努めることが大切です。
危ない行動をしない、お互いにゆずり合う、ひとりで外に出ないなど、最低限守ってもらいたいことを伝えます。あまり多すぎると逆効果になるので注意が必要です。
同様に親に対する諸注意も、「わかりやすく」を基本として絞るようにします。あまり多すぎると押し付けがましく感じたり、忘れられてしまったりする恐れがあります。
子どもの「今」に訴えかけるイベントの内容にする
子どもはその年齢ならではの特徴があります。成長すると一緒に体験できない作業や行動は、親にとっても子どもにとってもかけがえのない体験となります。
その年齢だからこそ面白い反応を引き出せるという点に着目し、イベント内容を練っていきます。
モノづくりイベントは特におすすめ
モノづくりイベントが、子ども向け企画に特におすすめである理由を解説します。
モノづくりがおすすめの理由
・制作物が残るためイベント後も思い出してもらえる効果がある
帰宅後に家族で話題にする、おじいちゃんやおばあちゃんへの報告が具体的にできて喜ばれるなど、作品がお土産の役割を果たします。成長しても思い出として、記憶に留めやすくなります。
・夏休みの工作課題などにも役立つ
長期お休みの自由研究や工作の課題として提出物にできます。モノづくりの過程を研究のテーマとしてレポートにまとめ、制作物を提出できます。
・親子で一緒に楽しめる時間となる
子どもにとっては普段多忙な親とのふれあいができ、思い出づくりや親の頼もしさを知る機会となります。同じゴールに向かい、いつもよりもたくさんの会話が弾みます。親にとっては、子どもの成長を見られる機会となります。
・ただ「聞く」「見る」よりも思い出に残りやすい
モノを作り出す作業は、単に聞く、見るといった場合と比べて多くの感覚を要します。自分の手先や身体を使うことで、経験が一層深められます。
制作を通じた達成感を味わえると同時に、成果物を持ち帰ることができます。子どもによっては、周囲との比較で自分の優れている点、他の作品に感心するなどの気付きが得られる場合もあります。
・実践によるノウハウの取得
モノづくりでは手先を使い、実際に工程を追うため、ノウハウが得られます。技術的な進歩のきっかけとなり、新たな興味へと続いていくかもしれません。
モノがどのようにできていくのかを体感することで、仕組みについての理解を深めます。
・親子間の話題が増える
「あの時こんなものを作ったね、次はこんなものを作ろう」「作ってみたい!」といったように、親子間の次につながる話題を提供できます。
モノづくりを通して子どもの思わぬ適性や、興味を発見する機会となるかもしれません。
モノづくりイベントのアイデア例
・缶バッジづくり
缶バッジは昔からよく知られるアイテムです。デザインが多様で、人気のキャラクターやさまざまなイラスト、写真から自分だけのオリジナルバッジを作ることができます。
お気に入りを帽子やバッグなどにもつけられるので、子どもにも大人気です。簡単に作れてデザインの自由度が高いうえ、イベントとしても比較的安価での準備や運用が可能です。
缶バッジで気になるのが、裏側の留め具であるピンの部分です。子ども向けのパーツを準備するのであれば、バッジマンネットの「Z安全ピン」を使った缶バッジパーツがおすすめです。
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・木を使った工作
木には素材そのものの存在感があり、子どもたちもその感触を楽しみながら作品を仕上げることができます。最近では話題となることも多い環境問題やSDGsにからめ、自然との共生を考える機会となります。プラスチックにはない木のぬくもりを感じられるため、持ち帰った後も家で長く愛用できそうです。
・身近にある材料で工夫する
SDGsにつながるテーマとしては、ゴミとなる素材から楽器やアクセサリー、日用品を作るイベントも注目されています。「こんなものからこんな作品が」という驚きと発見に、モノづくりの楽しさが一層感じられるでしょう。イベントを機に、アイデアを触発されてモノへの見方が変わるきっかけとなる可能性もあります。
・季節的なモノづくり
クリスマス、ハロウィン、節句、七夕、新年など、子どもにとって季節の行事は大人以上に心躍る出来事です。季節的なモノづくりは、行事の楽しさを倍増させます。家に持ち帰って飾れる、遊びに使えるアイテムを作成するイベントであれば、集客力にも期待できます。
子ども向けイベント企画のポイントは「体感」
子ども向けイベントでは、企画の基本を押さえつつ、大人向けとは異なる視点も必要です。じっとしているのが苦手で、好奇心旺盛な子どもたちは、自分の手で何かをやり遂げることに大きな喜びを感じます。モノづくりは、面白さとともに工夫を凝らし、創造性をはばたかせることで子どもたちの成長にも役立つでしょう。
モノづくりのなかでも、子どもに大人気の缶バッジづくりは特におすすめのイベントです。あらゆるテーマで、自分だけのオリジナル缶バッジを作ることができ、家に持ち帰って長く楽しむことができるからです。
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