キャラクタービジネスは、商品・サービスの認知向上や、新規ユーザーの獲得などに有効な手法です。
キャラクタービジネスの市場規模は拡大傾向にあります。話題のアニメキャラクターとのタイアップ企画や、自社でのキャラクター開発などが展開されており、株式会社矢野経済研究所の調査によると2022年度の市場規模は前年度比101.3%の2兆6,198億円になると予測されています。今回は、版権キャラクターを使う際の流れと、取り組む際に留意したいメリットとデメリットについて解説します。
また、キャラクタービジネスについては以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
キャラクターマーケティングとは? 効果や具体的な手法を解説!
キャラクターにもさまざまな区分がある
キャラクターというカテゴリーのなかには、権利の所在や利用目的などにより、さまざまな区分が存在します。
版権キャラクターとは何か
著作権法において「版権」は出版権にあたります。つまり版権キャラクターとは、著作物の作者個人や企業などが出版権を有しているキャラクターです。版権キャラクターは、権利者に許可を得ることなくキャラクターグッズを製作したり、出版物などに使用したりはできません。
使用する際には、あらかじめ権利者とライセンス契約を締結し、使用範囲についての許諾を得る必要があります。
ライセンスビジネスについては以下の記事で詳しく解説しています。
ライセンスビジネスのメリットや注意点を解説 グッズ活用で宣伝効果向上も!
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キャラクターの種類
<コンテンツのキャラクター>
漫画や動画など、各種コンテンツに登場するキャラクターです。登場する作品に関連したものだけではなく、作品やキャラクターのファン層をターゲットとした広告施策などにも活用されます。
<キャラクタービジネスのキャラクター>
キャラクターそのものを商材とし、キャラクターの使用料やコンテンツを事業としているケースもあります。代表的な企業としては、株式会社サンリオが挙げられます。
<公的機関のキャラクター>
官公庁や公的機関がキャラクターを利用しているケースもあります。警視庁の「ピーポくん」や厚生労働省の献血推進キャラクターの「けんけつちゃん」などがあります。特定の組織に対して身近さや親しみといったポジティブなイメージを持たせたり、取り組みへの参加を呼びかけるメッセージを周知したりする役割があります。
ここ数年では、県や市などのご当地キャラクターが「ゆるキャラ」というひとつの大きなジャンルを形成しており、地域のブランディングや商業活動に貢献しています。
<ブランドのキャラクター>
企業の商品やブランドのイメージキャラクターも人気を集めています。サービスの宣伝から派生し、グッズやイベント出演などに活躍の場を広げているキャラクターもいます。Suicaのペンギンやdポイントの「ポインコ兄弟」などがその一例です。
版権キャラクタービジネスについて
キャラクターや登場作品の魅力を生かした版権キャラクタービジネスは、商業活動では欠かせない手法です。そのため、高い効果が見込める反面、権利者との契約やルールを抑えておく必要があります。
版権キャラクターを使ったキャラクタービジネスの仕組み
前述のように、版権キャラクターは権利者の許可なしに使用できません。営利目的、非営利どちらの場合でも、使用方法やその範囲に応じた許諾を得る必要があります。
まずは、そのキャラクターの権利を誰が、もしくはどの企業が所有しているのかを確認し、使用に関する許諾を得ます。権利者と協議のうえ、使用する期間や媒体など、使用条件について細かく定めます。
また、版権キャラクターを商用利用する場合は、権利者とライセンス契約を結び、決まった割合でライセンス料を支払います。グッズやコンテンツ製作の際には、キャラクターや作品の世界観から逸脱しないよう、レギュレーションを遵守して製作します。実際に商品が出回るまでの過程においては、権利者の監修や、その際に入った指摘に対する修正などが生じることもあるでしょう。
キャラクターの活用例
キャラクターはグッズや広告以外にも、さまざまな場で活用できます。キャラクタービジネスについて3つ紹介します。
<グッズ販売>
キャラクターのグッズそのものを商品化し、公式ショップやイベント会場などで販売するケースです。最近ではSNS上で活動するイラストレーターとタイアップしたグッズも展開されています。
<コラボカフェなどのイベント>
キャラクターやコンテンツとタイアップしたイベントも人気です。特定の作品やキャラクターの世界観をイメージした「コラボカフェ」は、近年さまざまなコンテンツで展開されています。コアなファンをターゲットとするため、世界観を踏まえてメニューやサービスをつくり込む手間がかかりますが、リピーターの獲得が見込めます。
また、電車のラッピング広告(車体広告)や車内広告などでキャラクターとコラボするケースもあります。これらはファンによってSNS上で拡散される期待度が高く、限られた費用で最大限の広告効果が見込める手法です。
<店頭ノベルティ>
特定の条件で商品の購入やサービスを利用した際にプレゼントする店頭ノベルティとしても、キャラクターは有効です。キャラクターをデザインしたノベルティを用意することで、顧客の購買意欲や収集欲などを刺激し、商品の購買を促します。また、ノベルティを展開する店舗やチェーンを限定することで、他社との差別化も期待できます。スーパーの食品売り場から前述のコラボカフェまで、さまざまな場面で活用しやすい方法です。
キャラクタービジネスのメリットとデメリット
キャラクタービジネスには多くのメリットがありますが、その効果をできるだけ多く引き出すためには、さまざまな問題を解決しなければなりません。適切に使用されていない場合は、逆効果となるリスクもあります。
メリット1 : 商品の認知度アップ
キャラクターを使用した商品展開によって、商品そのものの認知度の向上が図れます。また、キャラクターのファンである潜在顧客層に対しての訴求力も高まるので、結果として潜在顧客の掘り起こしにもつながります。商品だけではなく、広告や販促施策にキャラクターを使用する場合にも同様の効果が見込めます。
メリット2 : 商品の差別化
キャラクターの特徴を生かした商品やサービスを開発し、展開することで他社の類似商品との差別化が図れます。「キャラクターのグッズ」という付加価値が備わることで、その部門の売上向上も期待できます。
デメリット1 : 商品の開発や販売に時間・工数がかかる
版権キャラクターを使用したグッズや広告の場合、商品の品質だけではなく、キャラクターを使用するにあたっての制約が生じます。許諾を得るだけではなく、権利者の監修やそこで指摘のあった箇所に対する修正対応など、販売までの間に工数や時間がかかります。
そのため、全体のスケジュールにある程度余裕を持たせ、トラブルが起きた場合に備えることが必要です。
デメリット2 : ブランドやキャラクターのイメージを損ねる可能性
キャラクターを使用する場合、「キャラクターと商品のイメージが合致しているか」という点が重要です。キャラクターのイメージを損ねる使用方法になっていないかを確認し、権利者と密に連携しながら商品開発や広告制作に取り組まなければなりません。
キャラクターの魅力を生かした商品展開を
アニメやコンテンツなどの版権キャラクターは、その魅力を生かすことで、マーケティングの効果を上げられる存在です。利用する際には許諾を得て、権利者と密に連携をとりつつ、権利を侵害しないように気をつけましょう。
版権キャラクターグッズとして展開されるグッズにはさまざまなものがありますが、なかでも缶バッジは特に人気のアイテムです。低単価で多種展開しやすく、顧客にとっては手ごろな価格で楽しめるキャラクターグッズといえます。缶バッジを製作する場合は、内製にするとよりコストが抑えられ、デザイン展開もしやすいのでおすすめです。「バッジマンネット」では、高品質な缶バッジマシンや素材パーツを各種取りそろえています。缶バッジ製造の際には、ぜひバッジマンネットをご検討ください。