商品の販促活動において、キャラクターは商品の認知や興味喚起といった面で大きな役割を果たします。キャラクターマーケティングでは、キャラクター制作や人気作品とのコラボ企画を行う際に、ターゲットに合わせて適切に展開する必要があります。今回は、キャラクターマーケティングの特徴や主な手法について解説します。

キャラクターマーケティングとは?

キャラクターマーケティングとは、キャラクターを用いたマーケティング手法を指します。他社との差別化を図る宣伝や、キャラクターそのものを使った独自性のある商品展開など、利用目的によってさまざまな取り組みがされています。

キャラクタービジネスの市場規模(商品化権・版権)は伸びており、2022年度には前年度比101.3%の2兆6,198億円になると予測されています。近年ではキャラクターを用いてライブ配信などで活動するVTuberの活動も広がり、新たなキャラクター市場となっています。

また、新型コロナウイルスの影響で開催が中止されていた舞台やイベントも徐々に再開されるようになり、キャラクタービジネスが展開される場は広がっています。

◇ キャラクターマーケティングの活用場面は多い

キャラクターマーケティングの活用場面は、主要事業の販促施策だけにとどまりません。キャラクターマーケティングを展開する企業のなかには、キャラクターそのものを活用したビジネスを主要事業とし、版権の管理やグッズの展開をしているところもあります。

こうした企業では、自社が運営するアミューズメント施設でのグッズ販売のほか、他社に使用ライセンスを販売してさまざまなコラボ商品を展開しています。

また、近年ではSNSの投稿から生まれたキャラクターが商品化されたり、イベント開催に発展したりしており、SNS発でのキャラクターマーケティングも盛り上がりを見せています。

◇ 使い方によっては失敗するケースも

一方で、キャラクターを使ったからといって必ずしもマーケティングに成功するとはいえません。例えば「病院の看板に動物向けのキャラクターを全面に押し出したことにより、動物病院だと誤解された」というように、キャラクターの使い方やユーザーからのとらえられ方には注意が必要です。

「キャラクターの設計やデザインが裏目に出て、伝えたい情報が正しく伝わらない」という事態を防ぐためには、キャラクターや企画設計がターゲットに合致しているかを精査しなければなりません。

キャラクターマーケティングに期待できる効果

広告宣伝や商品にキャラクターを用いることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。キャラクターマーケティングで得られる効果やメリットについて見ていきましょう。

・企業や製品の認知度を向上できる

企業や製品についての説明を一方的に配信するだけでは、多くの人に興味を持ってもらうことは難しいでしょう。販促活動のなかでイメージキャラクターを効果的に活用することで、ユーザーに親しみを持たせることができ、企業や製品の認知度の向上が期待できるのです。

・キャラクターを介してユーザーとコミュニケーションがとれる

ユーザーにとって、企業はあくまで法人であり、直接コミュニケーションをとる対象とはみなされていないかもしれません。しかし、企業とユーザーとの間にキャラクターを介在させることで、ユーザーは企業とではなくキャラクターと対話をするという体験ができます。
キャラクターは企業が発信したいメッセージの代弁者、もしくは第三者として情報を発信できるため、より親密なコミュニケーションが可能となるかもしれません。

・キャラクターそのものを使用した商品展開が可能になる

キャラクターそのものが一般的に認知されるようになった場合、コミュニケーションツールとしてだけではなく、グッズを商品化し、新たな収益につなげることが可能です。

実際に、取扱商品やサービスのイメージキャラクターを販促に利用するだけではなく、グッズを製作して販売しているケースが多々あります。

自社オリジナルか人気作品とのタイアップか?

マーケティングで活用するキャラクターは、一から自社で開発する場合と、アニメやゲームなどの既存作品のキャラクターをタイアップで活用する場合があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

◇ 自社オリジナルのキャラクター展開のメリット・デメリット

自社キャラクターを開発してマーケティングに活用する方法では、制作から展開までを自社で完結させることができます。そのため、キャラクター制作にあたっての自由度が高く、独自性を持たせることが可能です。

しかし、一からキャラクターを開発する場合は、0人の状態からファンを増やしていく必要があります。制作コストを抑えることはできますが、ユーザーとのコミュニケーション施策の実施など、キャラクターの認知度や好感度を高めていくためのリソースがかかります。 また、キャラクターの開発にあたっては、著作権や登録商標に抵触しないかどうかなどの精査も必要となるため、マーケティング手法としては高度です。このような課題を解決することは簡単ではありません。しかし、成功すれば自社製品の宣伝にとどまらず、2次使用のロイヤリティなどの副次的な収益を得ることも可能です。キャラクターの活躍の場を広げることが期待できるでしょう。

◇ アニメやゲームキャラクターなど人気作品とのタイアップ展開のメリット・デメリット

人気アニメやゲームなど、既存の作品を活用してキャラクターマーケティングを展開する方法です。

既存作品やキャラクターを使用する場合は、期間や利用方法に制約がありますが、そのキャラクターや作品のファンに対して商品の購買やサービスの利用を促進することが可能です。また、消費行動そのものだけではなく、ファンがSNSに投稿するなどの宣伝効果もあります。 キャラクター使用にあたっての契約やロイヤリティといった費用と一定の制約がかかることがデメリットですが、そのコストに見合うだけの効果が見込めるでしょう。

キャラクターマーケティングのさまざまな方法

キャラクターを利用した商品・サービス展開にはさまざまな手法があります。実際にどのように活用されているか見ていきましょう。

・SNSのコミュニケーションツールとして活用

企業の公式SNSアカウントからの情報発信やLINEスタンプの配布など、SNSを介したコミュニケーションにキャラクターを活用します。

自社オリジナルのキャラクターの場合、公式アカウントで企業のオリジナルキャラクターをアイコンにして、そのキャラクターが情報発信する形式にすると、ユーザーに親しみを与えられます。

また、LINEスタンプを活用する方法もあります。自社オリジナルのキャラクターや人気作品とタイアップしたスタンプを配布することで、公式LINEアカウントへの登録を促し、情報発信によって購買行動を促進します。オリジナルキャラクターのスタンプを商品として販売することで収益を得るといった使い方もできます。

さらに、スタンプを日常的に使うことにより、購入もしくはダウンロードした本人以外の多くの人の目にとまり、キャラクターや商品へ興味を持つ人が増えていくことも期待できます。

・キャラクターとタイアップしたイベントを開催

企業のイメージキャラクターなど、キャラクターの着ぐるみをイベントや店舗に登場させて、一般ユーザーとのコミュニケーションやSNSでの宣伝効果を狙う方法です。

コアファン層のいるアニメやゲームキャラクターの場合は、作品の世界観を取り入れた「コラボカフェ」など、キャラクターとタイアップしたイベントの展開も可能です。このような企画はさまざまな作品で展開されており、主にコアファン層に人気を博しています。

ノベルティ企画の事例として、例えばドリンク注文、特定の条件でキャラクターのコースターをプレゼントするといった販促手法が実施されています。好きなキャラクターのコースターを集めるためにリピートするケースも見受けられます。

メニューや接客、店舗など、作品の世界観を意識してつくり込む必要がありますが、キャラクターや作品のファンによるリピート利用を促進しやすい手法です。

・各種ノベルティを活用したプレゼントを企画

特定の商品を購入した人に対してノベルティの配布や、ノベルティが抽選で当たる懸賞を展開することで商品の購買やSNSでの拡散を促す方法です。人気作品のキャラクターを利用したノベルティの場合、その作品や登場するキャラクターのファンがノベルティ入手のために商品を購入するケースもあります。新商品やサービスを利用するきっかけづくりや、企業の取り組みを周知する方法として有効な手段です。

ノベルティに使われるアイテムはさまざまですが、商品に関連したグッズが使われることも多いです。実際の例では、「ペットボトル飲料の購入」で好きなデザインのボトルカバーを1点プレゼントする、「対象となるインスタント食品を2点同時購入」でカトラリーをプレゼントするなどがあります。

また、キーホルダーや缶バッジなども人気です。身につけることでさまざまな人の目につきやすく、認知度の向上も期待できます。

缶バッジであれば、低コスト大量生産が可能なので、企業やキャンペーンの規模を問わずに展開することが可能です。また、年齢などの属性を問わずに取り入れやすいアイテムです。

ノベルティ制作について詳しくは 「効果的なオリジナルノベルティ製作のために知っておくべきポイントとは?」 をご覧ください。

キャラクターマーケティングではターゲット層や目的に合った展開を!

キャラクターマーケティングを適切に展開することで、大きな利益を生み出すことが可能です。そのためには、入念な下調べと慎重な運用が必要になります。

また、多様なキャラクター施策のなかでも特に、ノベルティの活用はユーザーに企業や製品を身近に感じてもらうためには欠かせない要素です。ノベルティとして展開できるアイテムはさまざまあるなかで、缶バッジは年齢や属性を問わずに活用できるため大変便利です。

コストをかけずに量産したい、季節やイベントに合わせて多くの種類を展開したいといった場合は、専門店の缶バッジ製造マシンやパーツを仕入れ、内製するのがベストです。数ある専門店のなかでも、「バッジマンネット」の商品は高品質でアフターサポートも充実しており、缶バッジ事業参入におすすめです。ぜひご検討ください。