キュートでコミカルなタッチの作品を発信するキャラクターアーティストのKAMAKIRIさん

オリジナルフィギュアの制作、アートイベントやギャラリー等での展覧会、企業のキャラクターデザイン、アパレルブランドとのコラボレーションなど活動は多岐に渡ります。

かわいいだけでなく、どこかストリート感を漂わせる独自のタッチは、海外でも高い評価を受けてきました。

KAMAKIRIさんのインタビューは前編と後編の2回に渡ってお送りします。

前編となる今回は、KAMAKIRIさんのアーティスト活動における缶バッジの活用方法についてじっくりお聞きしました。



子供達と共同で完成させた缶バッジ。かけがえのない体験。


バッジマンネット:
フィギュア作家やキャラクターアーティストとして活躍されているKAMAKIRIさんですが、缶バッジをどのように活用しているのでしょうか?

KAMAKIRI:
主にイベントで活用しています。会場にお越し頂いたお客様に配布するだけでなく、子供達が描いた絵をベースに完成させた絵を缶バッジにするイベントも行っています。

子供達との共同作業で「この部分は青と黒どちらの色がいいかな?」など話しているうちに、心の距離が近づいていくのがとても嬉しかったです。




バッジマンネット:
大好きなキャラクターアーティストとコラボした缶バッジは、お子さんだけでなく親御さんにとっても一生の宝物になりそうですね。

KAMAKIRI:
そう思って頂けたら嬉しいです。イベントでは、お客様の目の前で作品を完成させる「ライブペイント」なども行っています。子供達とのイベント同様に、臨場感や特別感、一体感が得られるところがたまらなく嬉しいです。

特に今年は、たくさんのイベントで「ライブペイント」を開催する予定でしたが、コロナの影響で中止や延期になり残念です。



小さな丸のなかに無限の可能性。目指しているのは「お洒落で可愛い缶バッジ」


バッジマンネット:
イベント再開が待ち遠しいですね。缶バッジを活用した楽しい企画を次々と考案されるKAMAKIRIさんですが、缶バッジのどんなところが好きですか?

KAMAKIRI:
まず、缶バッジの「この小さな丸のなかにデザインをおさめる」という制限が好きです。私のキャラクターは、シンプルなデザインが多いので、小さな缶バッジとの相性は良いと思います。

それから、思い付いた瞬間に作成できる「スピード感」が気に入っています。データ入稿で 缶バッジを発注する場合は、指定のテンプレートに合わせてデータを制作しアップロードするという工程がありますが、 缶バッジマシンは、素早く気軽に制作できるので重宝しています。

私は壁にずらりと並べてディスプレイして楽しんでいますが、飾ったり、身につけたり、多様な楽しみ方があるのも缶バッジの魅力だと思います。

バッジマンネット:
KAMAKIRIさんは、ユーザーとしても缶バッジを活用されているのですね。缶バッジのデザインをする際に、ユーザー目線で気を付けていることはありますか?

KAMAKIRI:
缶バッジのデザインは、 缶バッジ単体としてだけでなく、洋服に付けた際にもしっかりお洒落にみえるように工夫しています。

私のデザインはキャラクターをモチーフにしたものが多いですが、その性質上アイテムとしての主張が強くなってしまい、洋服と合わせにくくなることがあります。

キャラクターアイテムとしての可愛さは残しつつも、洋服につけた際もしっかりとお洒落にみえるデザインを目指して工夫しています。




感動と体験、アイディアが刻まれた缶バッジが目の前で出来上がる喜び。

バッジマンネット:
最近、落札直後に下半分をシュレッダーされたバンクシーの「風船と少女」という作品が25億円で落札されました。そこに至るまでにも価値があるのでしょうか?

KAMAKIRI:
バンクシーのシュレッダー動画を見たときは驚きましたが、形ではなく体験や感動などのストーリーがいかに大切かが伝わってくる気がします。

缶バッジマシンのもう一つの良さとして、既に完成されたモノではなく、自分の目の前で出来上がることに対する喜びや感動があると思います。

例えば、アミューズメントパークや動物園、水族館などで、自分で選んだデザインが刻印される「スーベニアメダル」なども、単に完成されたメダルを購入するのではなく「遊びに来て自分で作ったメダル」という特別感が心に響くのではないでしょうか。

バッジマンネット:
ラベル印刷機の「ネームランド」が1990年代に家庭で大流行しましたが「缶バッジマシン」も一家に一台あると楽しそうですね。

KAMAKIRI:
それは良いですね。子供が初めて描いた絵や文字を缶バッジにすれば記念になりますし、コロナ禍で会えないおじいさんやおばあさんにプレゼントするのも喜ばれると思います。

缶バッジを作る時の「ガシャン、ガシャン」というマシーンが奏でる音は「モノ作りの好きな人の魂をわし掴みにする」何かがあると思います。

何気ない日常生活の中で、ふと思いついたアイディアを缶バッジにする。遊び心に満ちた生活が当たり前になることを想像するとワクワクしますね。

バッジマンネット:
今後の缶バッジ活用の展望などについて教えてください。

KAMAKIRI:
今年はハロウィン用にたくさん缶バッジ作って、街で会って言葉を交わした皆様にお渡ししました。とても好評だったので、来年は各シーズン、各イベントに合わせた缶バッジの販売を検討しています。




コロナ明けのイベントではライブペイントだけでなく、缶バッジの販売も企画しています。何百種類もの缶バッジをコルクボードに刺して、お気に入りを探し出してもらうのも良いですね。

一家に一台缶バッジマシンがある生活をする時代がやってくる未来を想像すると、とてもワクワクします。生活の中に遊びとアートが混在する素敵な毎日になるのではないでしょうか。