奥美濃の山から流れる清流、歴史ある「郡上おどり」、「天空の城」でも有名な、岐阜県郡上市八幡町。

ECサイト「バッジマンネット」を運営する株式会社ベックは、この自然豊かな郡上八幡に事務所を構えています。

現在は、美しい自然あふれる地からインターネットを活用し、缶バッジを通してアーティストの方々とコラボ活動を積極的に行っています。

今回は、コラボ活動をスタートさせた経緯やコロナ禍で得た気付き、そして、弊社が考える缶バッジビジネスのWeb戦略について、営業担当の山下の方からお話させて下さい。



コラボするアーティストさんには、ベックの広告塔にならないようにと常にお願いをする。


弊社は現在、4名のアーティストさんと協力してコラボ活動を行っています。

このコラボ活動では、アーティストさん各々が思うがままに表現活動をしていただくことを大切にしていただいています。

弊社の広告塔にならないようにお願いをしているのです。

これは活動を通じ「缶バッジが楽しい」と気付いていただけた時に、自然と弊社のことも説明していただけるだろうと考えているためです。

そもそも、活用していただくアーティストさんへ缶バッジがどれほどのメリットをもたらすのかは事前に予測できません。

数字に現れるメリットよりも缶バッジとのコラボ自体を楽しんでもらうことが、アーティストさんだけでなく弊社にとっても重要なのです。




アーティストに缶バッジマシンや資材を提供して、自由に創作活動をしていただいている。

アーティストの方とのコラボ活動は、新型コロナウイルスの流行後にスタートしました。その経緯を少し説明させてください。

新型コロナが流行する前はライブやコンサートイベント1回で、何十万個もの缶バッジが注文されていました。

コロナ禍の今、大量注文はほぼゼロに近い状態です。

一方、新型コロナの流行前も流行後も、小ロットのご注文数は変わりないことに気が付きました。



コロナ禍でも小ロットのお客様から注文は減らなかった。

今はイベントがそもそも無いため、大型の注文に注力する余地がありません。

そこで、小規模のご注文にフォーカスしようという動きとなったのです。

そこで、さまざまな施策を検討した結果、アーティストさんと缶バッジのコラボレーション企画に辿り着きました。

この企画を契機に今年、大阪モード学園さんとデビルロボッツのキタイシンイチロウさんにご協力いただいて、缶バッジのデザインサービス「バッジデザインラボ」も誕生しています。




ご協力いただいているキタイシンイチロウさん

缶バッジはパーツと機械があれば簡単に作れますが、バッジの顔ともいうべきデザインは、多くの方にとって悩みどころです。そのため、このサービスでは、缶バッジにおけるデザインの悩みを全面的にサポートする役割を担っています。

驚かれるかもしれませんが、他社の缶バッジを使えるようになっているのもこのサービスの特徴です。

自社の宣伝PRは二の次として、缶バッジ業界に携わるすべての人へ、この取り組みを響かせたいというのが弊社の願いなのです。



冬に何をするかで、春の成長に圧倒的な差が出る。


新型コロナの状況も踏まえ、商品開発においても新たな施策を進めています。

弊社の缶バッジに採用している『Z安全ピン』は、従来品よりも安全性・利便性にすぐれた安全ピンです。

通常の安全ピンは、ピン自体がパタパタと倒れる仕組みで作られていまが『Z安全ピン』は裏がZ字の構造となっていて、ピンが倒れずに自立します。

だからこそ片手での付け外しに不自由しません。さらに、ピン先を留め金で覆っているため安全性も高いのです。

以前はなかなか時間を取れずに進められなかったのですが、新型コロナの流行が始まり大型受注が減ることで、『Z安全ピン』に関連した新商品開発にも腰を据えて取り組めるようになりました。



コロナ禍は次の企画をじっくり考える時間

コロナ禍は、これまで私たちが経験したことのない経済危機をもたらしており、現在も多くの企業やお店において危機的な状況が継続していることと思います。

弊社も例外ではありません。今こそ、そのような新しいことをやるべき時だと私たちは考えているのです。

売り上げの減少や時間の余剰自体を見れば、マイナス影響が大きく感じられます。

しかしこのおかげと言っては妙ですが、現状だからこそ新しい企画や新商品の開発を進められるようになった側面が確かにあります。

抽象的な話になりますが、春に美しく咲く花は、寒い冬の時期に地面の下へどんどん根っこを伸ばすんだそうです。「どうせ春がくる」と思って怠けていると、本当に春が来た時に大きな花を咲かせられません。



コロナ禍は下にじっくり根を伸ばす。

この例え話に当てはめるとコロナ禍の今はまさに”冬”です。

弊社では地面の下へと根を張っていくように、今こそ足元を見直し、これまで目を向けられなかった部分にまで着手していきたいと考えています。

小ロットのご注文に対して、より一層メリットを感じてもらうための試行錯誤にも今後注力してまいる所存です。



コロナ前もコロナ後も、店舗や営業など必要ないものはすべて削減して、その分を顧客に還元する。



弊社のECサイト「バッジマンネット」には、バッジとマーケティングに関するブログ記事を掲載しています。

これもコロナ禍において良い効果を発揮しているようなのです。

業種に限らずさまざまなビジネスパーソンにお読みいただいている弊社のブログは、開始当初は印刷業者などの専門職向けにするという案も出ていました。

印刷のスキルを持っている印刷業者は、プリントするだけでデザイン可能な缶バッジ制作に携わる機会も多くあります。そういった方をターゲットとした記事を掲載すれば、アクセスが伸びると考えていたのです。

しかし実際は、読者の対象を印刷業者に絞らず「缶バッジとマーケティング」という概念の記事を掲載することで、印刷業者以外の企業担当者や、個人の方がコラム記事を読んでくれるようになりました。



コロナ禍において、ブログは無くてはならない集客ツール。

ほぼインターネットのみを使って缶バッジを販売する企業は、私たち以外にあまりありません。

顔が見えないWeb上で、弊社の「バッジマン」を理解してもらうには、ブログのコラム記事が大きな効果を発揮すると考えています。

光栄なことに、最近「缶バッジマシン」や「缶バッジ材料」、「パーツ」といったワードで検索すると、弊社が上位に表示されるようになりました。

検索エンジンから弊社にたどり着いたお客様に対し、弊社の缶バッジに対する理解をブログのコラム記事がサポートする、という形ができているのです。

加えてアーティストの方とのコラボの記事もあり、実際に商品を使用した方の生の声がわかるのも強みです。

コラム記事とコラボ記事。この2本の柱があるからこそ、弊社は実店舗も持たず、リアル営業をしなくとも事業ができていると考えています。

Webサイトを通して弊社がどのような事業をしているのかを理解していただけるのは大変ありがたいことです。



WEBサイトに圧倒的な力を入れているからこそ、店舗も営業部隊も必要ない。


日本では抑制されていた消費がコロナ終息とともに爆発的に急増するという「リベンジ消費」にも期待が高まりつつありますね。

リベンジ消費が発生すると、旅行や観光、イベントなどの娯楽へ消費意欲が向かうとも予想されています。

弊社はイベント産業や観光業に近いポジションにいますからリベンジ消費の流れは逃せません。会社の体力が続く限り、そういった流れがくるのを待ちたいと考えています。

その時を迎えるためにも今は足元を見て、できるところを耕す時期です。

現時点でやれることを徹底的に取り組み、今後もお客様のお役に立てる缶バッジビジネスに力を注いでまいります。