– 秋葉三尺坊 悟竹院 –
地元住民に『あきばさん』と呼び親しまれるこのお寺は、毎年夏休みが始まるこの時期に『子ども禅の集い』として小学生を対象に坐禅会を行っています。

お寺というとその厳粛なイメージからお邪魔しづらいと思う方もいらっしゃると思いますが、昨今では全国的にお寺をもっと身近に感じてもらおうとお寺を活用する取り組みが行われています。
この秋葉三尺坊 悟竹院も、今回の子供向けの坐禅会だけでなく、夜の坐禅会、寺ヨガやフリーマーケットなどが催される“親しみやすいお寺”として有名です。

今回、私たちは坐禅会あとの子供たちにオリジナル缶バッジ作りを体験してもらおうと、ワークショップを開催させていただきました。

 

子どもたちの自由な心を大切にする

こうしたワークショップで重要な事は、子どもたちをルールで縛らないことです。

大人が『これはこうするんだよ』だとか『これはやってはいけない』などと手本を見せたり制限するのではなく、自由にさせる事で『こんなことができるんだ』『こうやって作るんだ』という子ども達の発見やユニークな発想を妨げないことが大切です。

オリジナル缶バッジ作りも同じです。
紙とペン、マスキングテープにハサミ。これだけを用意し、あとは子供たちの自由にさせます。
小学生ともなればペンやマスキングテープを上手に使えますね。
もちろん、缶バッジマシンの操作も問題ありません。

 

今回は1つテーマを設定しました。
それは、『夏休みの目標』を作る事です。
坐禅の後だからなのか自分の心に素直ですね。こちらはマグネット缶バッジにする事にしました。

 


缶バッジマシンの操作は基本的には子供たちにやってもらいます。
1つの作品を作ることを全部自分の手でやってもらいたいからです。
絵を描く事から、缶バッジを完成させるところまで。誰かに任せるのではなく、全て自分の手で作品を完成させるのです。

 

そうして出来上がった缶バッジを見た瞬間の子供たちの溢れる笑顔。
これほど簡単に缶バッジを作れるとは思っていなかったでしょう、大はしゃぎで楽しんでいました。

皆とても嬉しそうです。

 

お寺でイベントをする理由

坐禅会のみならずヨガやフリーマーケット、ワークショップをなぜお寺で行うのか。

住職の稲村氏にお話を聴いたところ、

『地域の人たちにもっと親しんでもらえる“あきばさん”になりたい。そして馴染みの地元住民の方はもちろん、郡上市以外からの転入者の方たちの心のより所になってほしい』

との事でした。
お寺という抜群の知名度を持つ施設を用いたイベントは、地域住民にとって欠かすことができないものとなり、特別親しみを感じるものです。

思えばここ数年、郡上八幡の文化や街並み、地元住民の人柄に魅了された転入者が増えており、そうしていらっしゃった方々が観光客を呼び込む素敵な店を構え、町おこしに一役を買ってくださっています。

それにはここ“あきばさん”のような存在が大きな要因となっているのでしょう。
人々の縁を結び、支え合う。そんなお寺だからこそできる活動を今後も続けていってほしいですね。