ゴルフの競技人口は、年々減少傾向にあり、特に最近の若い人たちは、あまりゴルフをしなくなってきているのだと言います。

若い人たちがゴルフに積極的ではない理由は、「オジサン臭い」、「お金がかかる」、「接待というイメージがある」など、様々なものがありますが、ゴルフとは人間の本心が現れるスポーツとも言われ、最近では、若者こそゴルフをすべきなのだと言われることも多くなってきました。

米国のドナルド・トランプ元大統領は「ゴルフで人の本性が見抜ける」と考え、積極的にゴルフ外交を行っています。

安倍晋三元総理は、世界各国の指導者の中で、トランプ元大統領と最も親密な関係を築いた極めて稀な人物と言われましたが、トランプ元大統領と安倍元総理は友人であると同時にゴルフ仲間でもありました。

人の本性が見えるゴルフ

米国の名門スタンフォード大学では、起業家を目指す学生には、ゴルフをすることを勧めると言います。

ゴルフは昼食も含めれば、ほぼ丸1日一緒にいることになるため、様々な場面を通じて、その人の人間性を知ることができます。

また、ゴルフは「審判のいないスポーツ」とも言われ、自己判断に委ねられることが多いスポーツであるため、ゴルフを通じて、その人がどういった判断基準で行動するのかも知ることできることでしょう。

どれだけSNSを通じて、様々な人たちと簡単に人間関係が築ける時代になったと言っても、世の中のビジネスの大半は、強い信頼関係で結ばれた人間関係で成り立っている。

特にビジネスが大きくなればなるほど、この傾向は強くなり、お酒やゴルフなど、わざわざ時間を使って人間関係を構築しなくても、SNSで必要な時だけやり取りすれば十分と考えている人たちは、きっと大した仕事をしていない人たちなのだろう。

ビジネスの質は人間関係の質。

ゴルフを一緒にプレーした記念に、日付や場所、スコアなどが入った缶バッジを作って相手に送れば、お互いの記憶が深くなって、より深い人間関係が築けるようになっていくのではないでしょうか?

ゴルフが仕事上のつきあいに利用されるのは、仕事以外の時間を一緒に過ごすことが、仕事上の関係を最も強化することに繋がるからです。

まだ、仕事にやりがいを感じられていないのであれば、それはまだ深い人間関係を築けていないからなのかもしれません。


ゴルフはもともと羊飼いが暇つぶしとして始めたと言われています。その暇つぶしの中には、驚くほどたくさんの人間関係を構成する要素が詰まっているのです。

ゴルフはお金持ちの道楽と思われがちですが、それ以上に「時間持ち」の道楽であるとも言えます。日々、ゴルフができるということは、あくせく働く必要がなく、自分の時間をコントロールできている証拠とも言えるのです。

そして、ゴルフで良い人脈を築く上で大切なことは、ゴルフの時に聞いた話は、他の人には話さないということです。

最近では、瞬時にSNSで様々な情報が共有されますが、本当の意味で有益な情報は限られた人間関係の間でしか共有されません。

ゴルフで話したことは、他人には話してはいけない。

トランプ元大統領と安倍元総理は、よくゴルフをしていましたが、そこで話したことをマスコミに話すことはありませんでした。

ゴルフ場にマスコミは入れませんし、SPも常に厳重に張り付いているわけではなかったため、きっと、かなり親密な話がされていたことでしょう。

ある意味、本当に有益な情報というものは、向こうから営業してくることもなければ、ネットに落ちているなどと言うこともなく、親しい人間関係の間でしか決して共有されないものなのでしょう。

そして、親しい人間関係の間だけで共有された情報は、ある一定の枠から出ることはありません。

ゴルフが「紳士淑女のスポーツ」と言われる所以は、ゴルフを通じて、態度やマナーを確認し、この人は信頼するに値するかどうかを測っているのでしょう。

「お金の向こうには人がいる」と言われる通り、仕事やプロジェクトの質は、そこにどれだけ深い人間関係が存在しているかに比例しているとも言えます。

価値の高い情報は一定の人間関係の外に出ることはない。

会議室でどれだけ毎日顔を合わせていても、腹を割った話ができるほど、親密な関係になることはないでしょう。

最近では、クラウドソーシングが普及し、直接顔を合わさなくても、メッセージ一つで誰にでも仕事をお願いすることができます。

しかし、しっかりとした人間関係が存在しない上で行うものは「作業」であって、とても「仕事」とは呼べないものなのです。

1兆ドルコーチとも呼ばれ、アップルのスティーブ・ジョブズやグーグルのラリー・ペイジやセルゲイ・ブリンのメンターでもあったビル・キャンベルは、どんなMTGであっても、仕事とは関係のない家族やプライペートの話から入ったのだと言います。

結局、「お金」とは「信用」を数値化したものに過ぎません。信用をお金に変えることは比較的簡単ですが、お金を信用に変えることは中々できません。

会議では腹を割った親密な関係にはなれない。

長い時間を一緒に過ごし、相手の様々な局面が観察できるゴルフは、深い人間関係を築くために非常に大切なリクリエーションなのだと言えます。

近年、ゴルフをする人が減っていることを考えると、ビジネスをする上での人間関係があまり重要視されなくなってきているのでしょう。

ビジネス上の人間関係の質の低下は、ビジネスの質に直結していきます。

一日一緒にゴルフを楽しんだら、記念の缶バッジをつくるという習慣をつくれば、缶バッジが増えれば増えるほど、その人との人間関係が深くなっているということになります。

お互いの人間関係の深さを表す缶バッジ、ぜひ見えない人間関係を可視化するツールとして使ってみてください。